観察
食堂で
目を開けると、あの男とN部長がこっちを見ていた。
N部長は手をひらひら振りながらこちらを見て笑っている。「起こしちゃったねー」とN部長の明るい声が聞こえた。
あの男はまじまじと私の顔を見ていた。何も言わないまま。表情から感情は読めない。
私はその男の目をじっと見返した。私の表情からも感情は読めないだろう。
しばらく私達は見つめ合って、根負けしたのはあの男だった。
あの男は目を逸らして立ち去った。
それからあの男はしばしば私の寝顔を見に来るようになった。
何度寝顔を見られたかはわからない。
私はよく食堂で
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