KAC20233/お題:ぐちゃぐちゃ/ 新人傭兵と郷土デザート
私!ロレッタ=パーマシは混乱しています!
日本での任務遂行の為、日本で勉強する為に日本の勉強をしています!
勉強する為に勉強するって良くわかりません!?
自らの頭を両手で押さえ、頭を左右に振りつつ、魂の叫びを上げた。
「あぁっぁーーー漢字がわかりません! 勉強は2年前に終わったんです! 今また学生に戻れと言われても無理ですーーー」
そして、私は机に突っ伏した。そんな私に隊長席に座り、私に日本語を教えてくれていた一文字隊長が「任務です」と非情な声をかけてきた。
私はそんな非情さに突っ伏したままでいると部隊室の扉が開いた。
「ティータイムです」と言って、マリナさんが入ってきた。
マリナさんは私と一文字隊長の前に紅茶と一緒にグラスを置いた。
私は置かれたグラスを見つめる。
グラスの底に生クリームが敷かれ、その上に三角形の焼きメレンゲと半分に切られたイチゴが交互に円状に飾られたデザートだった。
「おぉこれはイートンメスです! 私、これ大好きなんですよ!」
イートン校の給食で出されたのが発祥で、生クリーム、焼きメレンゲ、イチゴをかき混ぜて食べるイギリスの伝統的なデザートだ
因みにメス《mess》はぐちゃぐちゃという意味だった気がする。
私はスプーンを突き動かし、焼きメレンゲを崩して、生クリームとイチゴをぐちゃぐちゃに混ぜた。そして、スプーンで一匙すくい口の中に入れ、無くなったらまた口の中に入れる。
生クリームの甘さに焼きメレンゲのサクサク感が良いアクセントとなって、私の口の中に旨さが広がる。甘ったるくなってきたところに、酸味の強いイチゴの味が口の中をさっぱりさせ、食べ続ける。
最期に砂糖を入れていない紅茶を飲んで口の中をスッキリさせた。
「さて、一息ついたら、続けますよ」
「はーい」
私は一文字隊長へ返事をして、目の前の用紙の山を見る。
ああ・・・これもイートンメスの様にぐちゃぐちゃ出来たらスッキリするだけどなぁ・・・
そんな事が出来るのも子供の内だけかと思い、私はまた山に挑んでいった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます