そのダンジョン名は「本屋」なり。
あかつき らいる
そのダンジョン名は「本屋」なり。
ある日を境にしてダンジョンが増えまくった。ダンジョンが疑似スキルを取得し、人間の世界に溶け込もうとスキルを発動させた結果だった。
入り口には電磁波の柱が二本、そびえたつ。柱と柱の間を抜けると、文房具がちょろちょろしていた。そこも通り抜けると、次は小説や雑誌たちがはしゃいでいる。さらにその奥には、いかにも頑固そうな辞書や辞典たちが仁王立ちしていた。
そのブック・ハウスというダンジョンは人間たちに人気が出て、毎日、ひっきりなしに
「大型がくるらしいぞー」
その
残ったダンジョンたちは結束し情報網を張り巡らせる。そんな中にあってもお堅い奴らはテコでも動かないぞ、とばかりに居座り続け、ダンジョンにつきもののラスボスとなった。
そこへ小さな人間たちがやってきた。五人はおっかなびっくりで、入り口を通過してくる。わりと入り口付近に
その五人はエリアに入るなり
小さな人間たちを追うような形で大きな人間たちが
「ちーん」
カウンターの上のベルが鳴り、続いて少しの機械の音がした。
「お買い上げありがとうございます。またのご来店をお待ちしております」と電子音声が流れる。
そして今日もこれからも人間たちは知識を求め、娯楽を求め、時間つぶしにとダンジョン「ブック・ハウス」へとやってくるのだ。
そのダンジョン名は「本屋」なり。 あかつき らいる @yunaki19-rairu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます