書店や図書館や博物館や美術館は、情動を含む多彩な情報を得る場所ですよね。でもこの20~30年ほどでかなりの「情報」がネット上で得られるようになり、存在価値を見失って激減している施設や店舗もありますよね。
じゃあもうこれら施設は不要なのか。消える一方なのか。存続するとすればどんな役割があるのかーーーそういうことを考えさせてくれるお話でした。
書店や図書館や博物館や美術館は、情報源であると同時に、感情を揺さぶる動力を提供してくれる場所。そんな「場」を生成するには身体性や即時性、現場性、固有性などなどの微量なクオリアがいるんだろうと思います。
学芸員さんや女性銀河大統領が愛してやまないのも、そういうナマの「場」にしかないバリュー、すなわち自分との相互作用によって生まれるエネルギーなんだろうなあ。
この「21世紀の書店を動態展示するこのイベント」があくまで考古学的実証実験であり、過去を再現したテーマパークでしかないとしても、アカシック・コンテンツにはない栄養分が含まれているはず。そのへんを抽出して周知できれば、今後の文化のポジションも変わってくるんだろう。
がんばれ学芸員さん!がんばれ学生!がんばれ現代のわれわれも!
ジャンクDNAの無駄コードも、いま「どうやら無駄ではなさそうだ」と見なされるようになってきたと聞きます。同様に文化価値もそれぞれ個別の情報だけでなく、一見非効率的なその提供方法や入れ物や手順やらの総体として見直したい。それがひいては「イリスの悲劇」防止にもつながるのでしょう。簡単に手に入るものは簡単に失われやすい。千年前の古文書や1万年前の石彫はいまも視認できるけれど、電子化した情報は太陽フレアがちょっと暴れただけで消し飛びますもんね。
ところで、学芸員さんが研究している画家のテイストがとても知りたいです。続編をお待ちしています。