第37話 それに比べて月のおっぱいって小さいよね~
金曜日の放課後。
ついに第二弾、五人でのお泊り会が決行する日になった。
「とりあえず最初家に帰ってからメアリーさんの家に集合するということで良いですね」
帆波が四人に確認を取った後、それぞれお泊り会の用意をするべくまず自分の家へと帰った。
最近、お泊り会が多くて忙しいが、それがまた楽しい。
去年は高校一年生ということもあり、お泊り会をするほど親しくはなかった。
でも同じ学び舎で一年過ごし、お泊り会するほど親密になれた。
「……今度はみんなでお泊りか……楽しみだな」
家に帰って着替えなど準備をしながら静香は思わず頬を緩めてしまう。
その後、お泊りの準備を終えた静香はメアリーの家へと向かう。
雰囲気的に洋館をイメージしていたが、メアリーの家は普通のマンションの一室だった。
「メアリーさん、静香着きました。開けてもらっても良いですか」
「分かった。今開ける」
メアリーが住んでいるマンションはオートロックのマンションで、エントランスで部屋主のメアリーにロックを解除してもらわないと中に入れない仕組みになっている。
初めてのオートロックマンションにドキドキしていた静香だが、無事中に入ることができた。
その後、言われた部屋の前でチャイムを鳴らすと、メアリーが出てきた。
「初めてのオートロックなのでドキドキしちゃいました」
「そうなのか。可愛いな静香は」
「ちょっとからかわないでください」
初めてのオートロックにドキドキしていたことをメアリーに言うと、クスリと笑われてしまった。
からかわれた静香は可愛らしく頬を膨らませる。
「もうみんな待ってるぞ」
「ずいぶん早いですね」
メアリーに中に案内され、静香はメアリーの部屋の中に入る。
どうやら自分が最後だったらしく、少し意外だった。
女の子の月は自分よりも支度に時間がかかると思っていたし、天音は時間にルーズそうだからもっと遅いと思っていた。
メアリーの部屋はワンルームだった。
ワンルームと聞くと狭いイメージがあるが、メアリーの部屋は十六畳ぐらいあるだろう。
フローリングだから目測だが、結構広い。
玄関を入って右にテレビ、左にベッド、手前はキッチンがあり冷蔵庫などがあった。
玄関を入ってすぐのところにもう二つ部屋があり、そこがトイレとお風呂らしい。
「メアリーって棺桶じゃなくてベッドで寝てるんだよ~。マジウケる~」
「棺桶なんてあんな寝苦しいもの、我は嫌いだ。そういう天音は棺桶で寝てるのか?」
「そんなわけないじゃ~ん。あんな寝苦しくて寝づらいものでなんて~」
メアリーがベッドで寝ていることを面白がっている天音だが、静香はいまいちなぜ天音が面白がっているのか分からない。
そもそも棺桶で寝る人なんていないだろう。
棺桶で実際寝たことがあるのか、メアリーの棺桶の評価は最悪だった。
それは同感らしく天音もウンウン頷いている。
この二人は一体なにについて話しているのだろうか。
本当に分からない。
「それだとまるで二人は棺桶で寝たことがあるような言い草ですね」
「棺桶で寝たら空気が足りなくなりそう」
帆波は呆れていて、月は窒息を心配していた。
五人がそろった後は夕ご飯を作り、一人一人お風呂に入っていく。
お風呂の順番で少し揉めたが、最終的にジャンケンで順番を決めた。
「良い湯でした~」
せっかく五人もいるのだから、お湯を沸かすことになり最後にお風呂に入った静香はとてもリラックスできた。
やっぱりお風呂は最高である。
お湯を沸かしてお風呂に入ることになったため、お風呂に入る順番が少し揉めたのだ。
「みんなが入ったお湯は気持ち良かったかな~」
「変な言い方しないで、天音ちゃん」
嫌らしい言い方をする天音を注意する静香。
あまり意識しないでいたのに、そんなことを言われると改めて意識してしまうから本当に止めてほしい。
女の子と初めて同じお湯に入って、静香は少しドキドキしていた。
プールは男女一緒に入るが、それとは別の背徳感がある。
静香は緑を基調としたスウェットを着て、帆波はピンクを基調としたオフショルダーのパジャマを着て、天音は白と水色とピンクがグラデーションのように混ざり合ったようなモコモコのパジャマと前回と同じパジャマである。
月のパジャマはベージュのパジャマで、メアリーは真紅のワンピース型のパジャマだった。
本当にメアリーは赤が好きなんだなと思う。
それに薄着ということもあり、メアリーの胸元は大爆発をしており谷間が見えていてエロい。
健全な男子高校生には少しだけ刺激が強い。
月は無難なパジャマで、メアリーのパジャマを見た後だとなぜか落ち着く。
「ねぇーねぇー、メアリーのおっぱいってドスケベだよね、だよね~」
「なんで私に同意を求めてくるの、月ちゃん」
お風呂上がりにいきなり天音からメアリーの胸への感想を求められ静香は困惑する。
メアリーの胸はダイナミックでエロいがそんなこと素直に言えるわけがない。
「それに比べて月のおっぱいって小さいよね~。ぺったんこ」
そして今度は月に標的を変え、月の胸をいじる。
みんなでお泊り会をしてたかが外れているのか、今日の月はいつも以上にぶっとんでいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます