第24話

 「お前ら大丈夫か?」

駆け寄ってくる白川さん。

「翔が気絶しています。おい、翔!起きろ。終わったぞ!」

肩を叩き起こそうとする。

「っ、うぅ……はぁ……テル、おわっ…たのか?」

「あぁ、終わった。白川さんが倒してくれた」

「そうか……すみません助けていただいて。入ってない時間だったのに」

「構わんよ別に。明日は休みだから鍛練をしてたんだ。それにせっかく新しく入ってきてくれた新人が死ぬなんてことは俺は嫌だからな。ここまで頑張ったな、二人とも」

「「はい……ありがとうございます」」

「さぁ戻るぞ。報告もあるしお前ら怪我しすぎだ」

翔と向かい合う。どちらもボロボロだ。刀も所々刃こぼれしていて使い物にならないだろう。

「戻るか……腹へった」

といいながらふらふらと立ち上がる翔。俺も続いて立ち上がり、ゆっくりと戻っていく。





 「入れ」

「失礼します。魔物討伐の旨を報告に来ました」

机に座る隊長。しかし鎧を着けて、机に刀が立て掛けられている。どうやら任務直後らしい。

「一等士星川から報告です。まず皇都北区四丁目にて四体の魔物を確認、討伐のしました」

「一等士武田からの報告です。皇都北区六丁目で二体の魔物を確認、討伐しました」

「そうか、今日の四丁目は多いな。それで、最後に聞かせてもらう、なにがあった?」

「俺から報告させてもらいます。深夜零時任務終了となったので戻ってきたんです。大通りまで戻って来て、正門のところに翔‥武田を見つけたのでそちらの方に行き、帰ろうとしたところ変な気配がしたので後ろを振り返ったんです。そしたら居たんです、魔物が三体……」

「三体?バラバラにか?」

「いえ、集団です」

「ッフゥー……ん"ん"っ……マジか」

「マジっすね。それにあいつらは考えてましたよ。俺たちが追いかけると角にに隠れて俺たちに逃げていったと錯覚させてきた。」

「ほう?……それはまた奇妙な話だな、普通俺たち上位騎士が相手する魔物でも単純に力でねじ伏せようとしてくる。そんな妙手…」

「それだけでは有りません。三体の内、翔が相手した魔物は通常の2倍を越える体躯を持っていました。それに俺が相手した二体も連携した戦闘をしました。さらにこれは言わなくてもわかると思いますが、気を練って武器を使う、一部分での気による強化も見受けられました。最近の魔物の出没頻度の多さと今回のことを考えると……」

「そうだな…………よし書くぞ」

「何を?」

「報告書と嘆願書だ」

「あー なるほどもう一度しっかりとした調査をすると言うことですね」

「そういうことだ。ということで悪いがお前ら、手伝ってもらうぜ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る