第23話




「今日はありがとうね。」


 夜、布団に入り、ジュディスはダンフォースへお礼を伝えた。サミュエルの話を聞かせてくれたこと、お墓参りに連れて行ってくれたこと、祖父母に挨拶へ行きたいと言ってくれたこと、どれもジュディスは嬉しかったのだ。




「俺こそ、ありがとう。ジュディスがいなかったら、行けなかったと思う。」




 ダンフォースは優しくジュディスの頭を撫でてくれた。



「ふふふ。今日からよろしくね?」


「ああ。」


 婚姻届を出した今日から、夫婦となる。ダンフォースに抱き締められ「よろしく、奥さん。」と囁かれるとくすぐったい気持ちになる。





「ダンフォース、あのね。」


「ん?」



 夫婦となった今日、ジュディスはどうしても聞きたいことがあった。



「ダンフォースはいつから私のこと好きになってくれたの?」





「・・・。ジュディスがだいすきって言うようになる前から。」



「えっ!」



 ジュディスがダンフォースに最初にだいすき、と言ったのは一緒に暮らそうと提案された時だ。




「•••好きな子じゃないと、一緒に暮らそうなんて言わないんだけど。」



 少し不満そうなダンフォースは、より強く抱き締めて言葉を続ける。


「ジュディスが恋人とも思ってなかったなんて思わなかったからさ。」



「ご、ごめん。」



「ジュディスと一緒に眠るようになった頃から、より大事な人だと思うようになったんだ。」



「ダンフォース•••。」



「だから、ジュディスが寝た後、結構悪戯してたんだけど。」


「•••!!」


 さらりと言うダンフォースの言葉に、ジュディスは目を見開き、頬を染めた。



「い、悪戯って•••。」



「ん?こんなこと。」



 ジュディスの髪に、額に、瞼に、頬に、ダンフォースから熱い口づけが落とされた。ジュディスが逃げられないように、いつの間にか後頭部がダンフォースの大きな手で固定されている。



「ダンフォース•••!」


 ジュディスが咎める声を上げ、ダンフォースは漸く止めてくれ、「ん?」と優しく尋ねる。そんな仕草だけで、ジュディスは許してしまいたくなるのが悔しい。



 ダンフォースの耳元で「だいすき」と囁くと、「知ってる」と蕩けるような笑顔で返される。夜は、ついついダンフォースのペースに飲まれてしまうから。また明日の朝、「だいすき」と伝えようと、ジュディスは心に決めるのだった。










〈おしまい〉







 最後まで読んで頂きありがとうございました!ジュディスもダンフォースも可愛くて、書くのが楽しい毎日でした。名残惜しいですが、またどこかで二人を書けたら嬉しいです。ありがとうございました!



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全力告白女子は、今日も変わらず愛を叫ぶ たまこ @tamako25

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