第13話
「どうして、こんなことまで・・・。」
上手く状況を飲み込めないジュディスを、ダンフォースはより強く抱き締めた。
「ジュディスが、前に言っていただろう。お祖父さんとお祖母さんのような温かい家庭を作りたい、って。だから、どうしても、お祖父さん達の物も手元に残してあげたかった。」
「ダンフォース・・・。」
ダンフォースの思いを聞き、ジュディスは身体中にぽかぽかと暖かいものが流れていくのを感じた。
「こうして、取り返してから、ジュディスに結婚の申し込みをしたかったんだ。」
「へっ・・・結婚・・・!?」
「・・・ジュディスは、俺と結婚するのは嫌?」
呆気に取られたジュディスに、ダンフォースはしょんぼりと悲しそうに尋ねる。そんなダンフォースを見て、ジュディスはじわじわと心が満たされていくのを感じた。ダンフォースが、結婚したいと本当に思ってくれていることが伝わってきたからだ。
「嫌じゃなくて・・・ダンフォースが私のこと好きなのか、よく分からなかったの。」
「・・・好きじゃなかったら、こんな風に抱き締めたり、一緒に寝たりしないんだけど。」
眉を寄せ、不満そうなダンフォースを見て、ジュディスはようやく微笑んだ。
「だけど、どうしても聞きたいの。ダンフォースの言葉で。」
耳の端を赤くしたダンフォースが、ジュディスが一番聞きたかった言葉を、耳元で小さく囁いた。
そしてジュディスの頬に手を添え口付けた。二人の影が離れると、ジュディスは満足そうににっこり笑い、久しぶりに愛を叫んだ。
「ダンフォース、だいすき!」と。
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