第7話
ジュディスは、ひどい高熱を出し、ダンフォースが甲斐甲斐しく世話をしてくれた。部屋を心地よい室温に保ってくれ、温かい飲み物を常備してくれ、定期的に着替えを持ってきてくれ、まさに至れり尽くせりだ。
体調が悪いことで、気持ちまで沈んでしまい、ジュディスはベッドの中でダンフォースと親しく話していた美女のことがぐるぐると頭で回る。あの人は誰だったのだろう。ダンフォースにとってどんな存在なんだろう。
「ジュディス、大丈夫か?少しでも何か食べないか?欲しいものはないか?」
ダンフォースが心配そうに顔を覗き込む。ジュディスが小さく首を振ると、ダンフォースが優しくジュディスを撫でる。
「早く元気になってくれ。ジュディスが元気がないと調子がでない。」
切なそうな表情で、ジュディスを撫で続けるダンフォースを見ていると、ジュディスは愛されているように感じてしまい息苦しくなる。
◇◇◇
ジュディスは風邪を拗らせてしまい、宿屋の仕事も休みを貰って、しばらく寝込んでいた。ジュディスがようやく起き上がれるようになったのは熱を出して四日経った頃だった。
ジュディスが寝込んでいる間、ダンフォースは陶芸作りもせずに、ずっと看病してくれていた。ジュディスが動けるようになったので、今日からようやく陶芸作りも始めていた。この四日間、ジュディスは、水分補給も食事もベッドから出ずとも済ますことができていたが、今日は自分で飲み物を取りに久しぶりにキッチンに来た。
温かいお茶を淹れたので、ダンフォースにも差し入れようと工房の前に行く。すると、工房から笑い声が聞こえた。恐る恐る工房を覗くと、またあの強気に見える美しい女性がダンフォースと楽しそうに話していた。
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