第一章

第1話

あと2年また、ぼっち生活かあ。


私は晴れて二年生になった。

相変わらず友達はいない。


放課後、いつものようにスーパーで夕ご飯の食材を買いに行く。


一人暮らしでも、バイトのシフトを沢山入れて、節約すれば十分だ。趣味に使うお金も余る。

それにたまに、メイド達が来て、お惣菜やおにぎりをくれたりする。


「豚肉結構安かったな〜…」


今日は生姜焼きにしようかな?

そんなことを考えていると、


「うわぁぁぁぁぁん」


何処かで小さい女の子が泣くような声がした。


「ほらほら、もう泣き止みなさい…、

怪我もないから大丈夫よ?」


女の子のお母さんが励ますような声も聞こえる。


「うわぁぁぁん、痛いよぉ〜〜」

「困ったわね…」


どうやら、あの子は転んで泣いてしまったらしい…

怪我は会話から無いってわかるけど、大丈夫かな?

あの漢字、泣き止みそうにないし…


「よし」


私は女の子の方に向かって歩く。


「ね、お嬢ちゃん」

「ひっく…ううう…なに…」


私は女の子がこっちを向いたとき、バク転をする。


「すごい…」


「キラキラなお星さまをー♪

キラキラな世界をー♪

掴み取るまでー♪」


私は歌いながら、ひたすらダンスを踊る。

この歌は、今小さい子に人気のアニメの主題歌だ。

さっきのバク転は、そのアニメのオープニングの初っ端で主人公がバク転をするからそれを真似たもの。


「わー!キラリンのお歌だー!」


女の子はすっかり泣き止んだ。


「あらぁ!

有難う御座います〜!

ほら!お礼ぐらい言いなさい。」


女の子のお母さんが拍手しながらそう言う。


「ありがとお姉ちゃん!もう痛くないよ!」


「ふふっ、良かった。」


私は2人にぺこりと頭を下げると、その場を去ろうとした。


すると影から見ていたらしき人が、


「わわわわー!

すごいすごい!」


と称えてきた。


「え?」


今のどこが凄いんだか…


私は意味がわからずはてなを浮かべる。


「今の、可愛くてとってもキラキラしてて、めちゃくちゃすごかった!」

「ど、どこがすごいの…」

「全部!全部すごかったよー?」


全然、すごくなかったと思うけど…な?


「えっと、貴方は…」


「あたしは室笠亜琴むろかさあこ!」


む、室笠?


「室笠ってあの…室笠財閥?」

「?そうだよー!」


やば、この子めちゃくちゃのお金持ち…


取り敢えず私も自己紹介しとくか。


「私は和泉結愛いずみゆめ、です…」


こ、こんな感じで大丈夫なの、かな?


「よろしくねー!」


…この子と仲良くできるのかな?

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壊れるかもしれない、それでも助けれるの? @ra-ha

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