その後、閉店しなかった本屋は……。

 あのとき閉店せずに営業継続となった書店だったか、その数年後に閉店してしまった。二度目の正直である。私の「どうせまた、やっぱり閉店しませんになるんでしょ~」というポジティブな予想(というか希望)通りにはならなかった。

 閉店した数日後、私は確認しようと本屋だった建物に寄ってみた。すると建物のドアには「閉店しました」と書かれた紙が貼られていた。またチェーン店なので、他の店舗の案内も紙に書かれてあった。それを見た私は「マジで閉店しちゃったんだ、ここ……」と淋しくなった。

 閉店前の本屋では、やはりあのときと同じようにセールが行われていた。閉店セールは好評だったらしく、値下げされている品物は、すぐに減っていた。そんな本屋で私が最後に購入したのは、好きな漫画の単行本だった。その書店限定の購入特典が付いていたからである。「これが私にとって、この本屋さんでの最後の買い物か……」と切なくなりながら、私はセルフレジで会計した。

 ちなみに、その漫画の単行本は次巻以降、閉店した書店での特典は付かなくなった。もしかしたら私がよく行っていた店舗に限らず、会社がピンチなのでは……と余計なお世話かもしれないが心配になった。どれだけ魅力的な紙書籍の購入特典があっても、電子書籍を選ぶ読者の方が多いのであろうか。そして本屋だった建物が何になるのかは、まだ分からない。

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本屋も色々ある。 卯野ましろ @unm46

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