第31日 異世界VS日本食 補遺の10 30年前のレシピ2


 料理をする時に何を頼りにするかといえば、実家の親でなければ、たぶんインターネット。最近はもっぱらYouTubeの料理動画という方も多いでしょう。

 音声の説明、実際の写真、動画の解説、それぞれに便利があると思いますので、好みは人によるでしょう。

 だがしかし。わたしの手元にあるレシピ本には一切写真がありません。

 スクリーントーンすらも一切使っていない、線だけの簡単な手描き感満載のイラストと、二段組の文章(笑)のみ。


『プロの隠し技』とは、新書版の版型の中に教科書のように基本的なことが、教科書よりも簡単な、そして簡潔明瞭なわかりやすい文体で、ひたすらめいっぱい書かれている本なのです。凡そ一冊300項目程度。料理の手順の他、豆知識とか基本技術にいまさら人に聞けない常識も書かれていて読み物としても十分面白い。


◇◆◇


「カッパ・ブックス」というレーベルがあります。姉妹版のカッパ・ノベルスとともに「新書」というジャンルを大きく発展させたという点で特別な存在で、政治経済健康料理哲学宗教科学数学クイズectect、ありとあらゆる分野の本がこのレーベルから、新書版の版型で世に問われました。

 私の部屋の、何かあった時にすぐ手に届く本棚の、「ノベルス」の『日本沈没』の隣にあるのが大阪阿倍野の辻調理師専門学校監修によるレシピ本『プロの隠し技』シリーズです。これもカッパ・ブックスの姉妹版の一つ、カッパ・ホームズの本。


 とはいえ、料理は「技術」。最新の本とは違うところもあるでしょう。天下の「辻調」の本なら、なおさら、現在はさらにアップデートされているはずで、正直、料理の参考になるからこの本を、とは言いにくい。


 でも、面白いんです。読み物として単純に。

 写真や動画が当たり前の今だからこそ、料理の工程や知識を、全部文章で説明していあるのがすごい本なのです!

 (個人的な見解ですが笑)


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