第22日 異世界VS日本食 補遺の1 関係図書読書記

 野球とか、野球マンガとか野球の小説とか、『勝利投手』と『ミスターベースボール』とか『ストッパー毒島』とかの話を書いても、今日は許されそうな気がしますが、そろそろ連載も終わりが近いので残ったネタを消化していかねばなりません。


 わたしが、料理の描写について意識したのは、3年前に料理に関するお話を初めて書いた時でした。

 もう、最初の「ぶり大根」だけで、大変。毎日目にして、自分で作ることもあるのに、ここまで自分の中には料理を表現する言葉がないのかと愕然としました。

 もちろん今だって上手ではありませんが、何にも出てこないとはどういうことなんだろうか、と当時、悩みました。


「こんな感じかな」という程度には料理の描写自体は知っています。『美味しんぼ』も『クッキングパパ』も『鉄鍋のジャン』(一気に異端)も読んでましたし、池波正太郎さんの小説もエッセイも好きでしたし、時間がある限り『サラメシ』も見てます。『焼きたてジャパン』とか『バーテンダー』の様な、料理マンガの枠を広げる様なのも大好きです。

 作る方ばかりではなく『孤独のグルメ』や『深夜食堂』みたいな「食べる人」側の話も好きですとも。


 でも、しかし。

 さて料理の描写が主役の『小説』は、というと出てきませんでした。『居酒屋のぶ』『異世界食堂』との出会いは衝撃的でしたけれど、これまでに自分は何にも読んでこなかったろうか。と、そんな事を振り返ることになりました。

 

 ――で、一番最初に思い出したのが菊池秀行著の『妖神グルメ』。

 

 ちょとまて、自分!とか、思いました。え? マジで次は宮沢賢治なのか? いやあっちだって料理の描写はないだろう! いやむしろ全編調理シーン?! いや、いや! いあ! いあ! はすたあ!

 

 あれ? 結構ごはんは好きなジャンルなのにここまでノーマーク?


 狼狽えたあまり、私は料理が主役の『小説』を捜すことになったのでした。


 つづく

 


 

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