第20日 異世界VS日本食 結

 からあげ。ハンバーグ。てんぷら。ラーメン。

 カレーライス。とんかつ。ナポリタン。オムライス。


 異世界人の前に日本食が現れると、見たり食べたりして、びっくりしたり感動したり、という構図が「普通」となって久しいですが、よくよく考えると変な感じもします。


 自分が海外で食事をする場合、海外の人を日本でもてなす時のことを想像していただくとわかりやすいと思いますが、生まれ育ったところ以外の食事は、基本的に簡単に受け入れられません。

 宗教的な理由とかではなく、もっと手前の当たり前の問題として、食べなれているものが一番おいしいからです。


「今日はありがとう。とても美味しかったよ!」

と言いつつ、心の中では

「でも、一番おいしいのは自分のテリトリーの中の料理」

ときっと誰もが思っている。

 

 実生活ではもちろん、異世界ファンタジーでもそちらの方が自然なのですが、それだと話がややこしくなりすぎて、そのお話で書きたいところへたどり着けない。

 ライトノベルは「デフォルメの文学」。凝ったリアリティは進行の邪魔でしかありません(極論)

 そもそも、すべての前提として、異世界人ではない私は異世界人の食事の味など分からずお話を書くしかない。故に今のところは、自分がおいしいという料理を登場させて、異世界の人にびっくりしてもらう他ないわけです。


「ドラゴンってトリ肉ぽいな」と感想を言わせるくらいならまだしも、作品の軸として異世界の食文化を物語に取り込むのならば、やはり、こちらの食文化の発展を参考にしつつ、異なる進化を遂げたその異世界独自の食文化を作品設定として構築したくなってきます。

 でもさすがに、それは例えば異世界転生を理由と原因から書き始めるタイプのお話で、一種の思考実験の側面を持つ、濃いめのハイファンタジーか、ハードめのSFの分野ではないでしょうか。


 いつかは書いてみたいけれど。そんなのも。

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