第6話 肉の熟成室 ようやく臭いニオイから開放された
【肉の熟成室 ようやく臭いニオイから開放された】
捌いた獣は、すぐに血抜きを行い、熟成室で熟成させる。
この工程で僕の使うスキルは。
○血抜きスキル
新しく発現した。
兎程度だと数十秒で血抜きが完成する。
使用するには、体に手を触れなければいけないのと、
時間がかかるので、対象が生きているうちは使えない。
○各種魔道具
熟成魔道具
風魔法 微風を送る。
水魔法 加湿する。
水魔法 冷却する。後日、氷魔法に発展する。
○料理大全
料理のレシピ、素材、調理技術など料理に関係する事を
開示する。
【焼き物】
僕は焼肉が大好きだ。
前世ではネットでプロの業を見て毎日のように肉を焼いていた。
お陰で、家族からも褒められたものだ。
肉類や魚類を焼く時のポイント。
“ジューシーであること”
これが最大の注意ポイントであると思う。
その次に、素材にまとっている雑味の元を
いかに除外していくか。
では、ステーキを焼いてみる。
まず、準備として、
肉を常温に戻しておく。
筋や血合いを削除する。
肉の厚さを揃える。
塩をふる。
表面の水分を取り去る。
包丁を入れたりフォークで穴を開けない。
次に実際に焼いていく。
ポイントは低温で焼く、ということだ。
油脂をひいたフライパンを下火にする。
肉を投入。
焦げ目がつかないようにじっくりと火を通す。
肉はフライパンの中で極力動かさない。
こうして、肉の表裏とサイドを焼いていく。
火が通ったら、フライパンからおろして
予熱で肉を休ませる。
最後に強火でフライパンを熱し、
肉の両面に焦げ目を作って香ばしさを足していく。
胡椒等のハーブはステーキが焼き上がってから。
こうして完成したステーキは、
表面以外に火が通り過ぎた部分のない、
暗いピンク色となったジューシーな断面となる。
それは、ステーキにナイフを入れた瞬間に
大量に出てくる肉汁が証明している。
『お坊ちゃま、この熟成肉、美味しすぎます!』
『物凄いジューシーで驚きます。臭みもないし、味に深みがあるんですね』
『現場で捌いてすぐに血抜き、その後はマジックバッグに入れて劣化しないからね』
『熟成というのも素晴らしいですね。普通は乾燥肉か塩漬けにしてしまうんですが』
『熟成のやり方は、僕の“料理人”が教えてくれる。でも、経験をつめば、もっと上手にできるはずだ。“料理人”はやり方を教えてくれるけど、経験までは与えてくれないからね』
『ああ、“料理人”は先生ということですね。教えるからやってみろと』
『そうそう』
『でも、魔道具様々ですね』
『北の寒い地方なら、1年中熟成できるんだろうけど、この辺りでは冬以外は気温が高いからね』
それにしても、ようやく臭い肉から開放された。
効果はそれだけではなかった。
熟成肉を食べ始めてからしばらく経つと、
なんだか体の調子が良くなってきた。
『お坊ちゃま、ステータスが高くなってます!』
『気のせいじゃなくて?』
『いいえ、メニュー見てください。エンチャントって記述があります!』
僕も早速メニューを見てみた。
氏 名 ジャン=フランソワ・グランデ
年 齢 6 性 別 M 種 族 人族
祝 福 料理人
ステータス
○筋力 41(+20)
○体力 38(+20)
○速度 42(+20)
○知力 584(+20)
○精神 515(+20)
○意思 262(+20)
スキル 料理(料理大全、料理エンチャント)、
4属性魔法、吸血、魔道具、
狩猟(探査・気配操作、マジックバッグ)
特 記 料理エンチャント
確かに、料理エンチャントの記述があり、
ステータス全てに+20がついている。
+20の効果ってかなり高い。
だからか。
急に体の調子が良くなったのは。
僕はまだ6歳で体が貧弱だから、
筋力・体力・速度といったフィジカルが弱い。
(これでも6歳としてはかなり高い)
それに+20がつくと、一気に成人男子、
つまり15歳の平均程度にはステータスが上がる。
これも“料理人”のおかげか。
発現するスキルといい、ステータス強化効果といい、
めちゃくちゃ優秀じゃないか。
それと、後日明らかになってくるのだが、
『お坊ちゃま、3人とも肌がキレイになってきました。前は吹き出物とかあったんですが、なくなってます』
これは質の高いお肉を食べるようになったからだと思う。
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