50-1神々の最終戦争①

ーーーー 四天王ミシェリー・ヒート ーーーー


 時は来た。来てもうた。


 ルナから情報を受け取ったジェイド様は、美紗を連れて引き籠もる……。


 10時間だけやな。


 それから子供達と何やかんや話し合い。


 ウチはナニしとったか?


 ジュリオンが総司令やったからな。

 そのお手伝いや。


 ウチとギリの子だけあって優秀やでぇ。


 もう全部ジュリオンでええやんってなったもん。


 ウチ、足手まといかな? って思ったんやけど。


「バイト代を弾もう。だから、また手伝ってほしい」


 ……くはっ……。これが噂のツンデレ男子。

 プイっとして背中で語るのもポイント高いんやけど、耳が赤いところが最高得点や。

 こんなん寿命延びるしかないやん。


 親バカはこれくらいにしとこか。


 なんでこんな浸っとんかってゆーとな。


 空がな……。


 神々でイッパイなんやもん。


 空には数千の神々。


 そして、魔王城庭園に立つのは最高神ベガオ、最高神ガイ。


 その後ろに高位神5柱……と、チゥ様やん。


 ま、神様やもんな。


 ジェイド様と仲良くしよったの、結構微笑ましく見とったんやけどな。


 残念やわ。


ーーーー 四天王ノウン・マッソー ーーーー


 あたしは、スグルの背中を叩いて送り出したよっ。


 もうあたしはお役御免……というよりは対策を取られていない子供達しか戦わせられないっていうジェイド様の判断だからなっ。


 最高神2柱が前衛、後衛に高位神とチゥ様。


 絶対に逃さないという神々の強い意志を感じるよっ。


 ジェイド様も美紗も前に立って、怖気付くこともない。


 あたしは、魔王城の中で隠れて見てるだけなのに、震えてる。


 ガイが、本を取り出して、ジェイド様に見せるように言った。


「これは『魔王の系譜』だ。分かるな?」


 ジェイド様も美紗も首を傾げる。


「いきなりゾロゾロやってきて、黙って威圧してきた上に、何を喋るのかなって思ったら、そんなしょうもない話?」

「なぁみーくん、チャチャっとやっちまった方が良いんじゃね? 『黄昏時覚醒』もきっちり起動してるしよぉ」


 ジェイド様も美紗も怒ってるなっ。

 でも、ガイはイラツイた顔で言った。


「良いのか? 『魔王の系譜』を私が消せば、ジェイドもこの世から消える。普通は消せないが、私には消せる。最高神だからな」


 そんな……だから寄越せって言ったのかっ。

 ジェイド様の心臓が、握られているも同然の状況。

 思った以上にダメじゃないのかっ?


「我らの求めはただ1つよ、ジェイド。全てが終わるまでそこで見ておれ。そうすれば、少しだけ長生きさせてくれるわ」


 ベガオは邪神のような笑みを放つ。


 最高神って、ただのクソジジイなんだなっ。


 でも、どうするんだろ……。


 ミサやジェイド様は……耳ほじってるっ!?


 なんで!?


 ベガオもガイも、ビキビキしてるしっ!?


 そんなことしたら……。


「やって良いな? ベガオ」

「構わん。やれぃ、ガイ」


 魔王の系譜は、縦に破かれた。


 静寂の時間が流れ、ジェイド様が苦しみ藻掻く――。


「……あがっ、うわああああ! ……僕、こういう演技得意じゃないんだけど」


 ――ように見せた演技だったっ!

 心臓に悪いよっ!


 でも、なんで?


ーーーー ????&??? ーーーー


「潮時ッピね」

「覚悟は、決まったでおじゃる」


「お前も早く決断するッピ」

「こういうのは、早い方が良いのでおじゃる」


「みー様、作戦成功だッピ」

「ミサ様も、ご帰還お待ちしておりましたでおじゃる」


「これより高位神ネムシス・アポローン及び――」

「高位神モミザ・ネプルーンは、みー様の陣営に加わるでおじゃる!」


ーーーー Norinαらくがき ーーーー

全ては作戦だったのだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る