37-0魔王様、負ける

 弾切れ。


 あと16分で100時間だけど、100時間になっても終わりそうに無いねコレ。


 勇者ああああは、僕らにもう対抗手段が無いと悟ったか。


 一歩ずつ、ゆっくりとやってくる。


 せめて、最期はあの場所でと、足元の屋根を爆発させる。


 この下は、謁見の間。


 僕のリスタート地点にして、再び終わる場所。


 謁見の間、その玉座の前に立ち、魔王の系譜を真上に放り上げる。


「ミサ! こっちへ! 『核魔法』起動!」


 錬金術でシェルターを作り、最後の足掻き。


 ベルカ式、自国で核なんて使いたくなかったけど、しょうがない。


 一応、調理場にもシェルターは作ってあるから、僕のせいで誰かが死ぬことは無いはず。


「……『A Punch』」


 勇者ああああが、喋った。


 いや、スキルを起動したのか?


 でも待ってよ。


 パンチ一発で、核が消されたんだけど。


 放り上げた魔王の系譜が落ちてくる。


 シェルターは勇者ああああに殴られ、割られた。


 目の前には、勇者ああああが立っている。


 美紗が僕の前に立ってくれた。


 でも、払い除けられて、美紗は壁に激突する。


 魔王の系譜が、僕の背中のところに落ちた時、勇者ああああの手が、僕を貫く――。


 そう思った時、2つの突き放す音が、ほぼ同時に響いた。


 振り向いた時、僕を突き飛ばしたミシェリーも振り返っていた。


 ミシェリーを突き飛ばしたギリが、勇者ああああの手で、心核を貫かれていたから。


ーーーー Norinαらくがき ーーーー

次回、ギリ・ウーラより。


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