33Endless1

 目が覚めたのである。


 ここは……教会?


 あー、ジェイドとミサの結婚式をした場所であるな。


 チャペルが良いとか急に乙女な事を言いおって……。急造で造らせたのがコレである。


 まぁ、キレーヌ様も張り切っておられたからな。


 魔王城に教会……またしても歴史に名を刻んでしまったと言ってな。


 ジェイドでなければ有り得んのである。


「ところで、どーして我はここで寝て……あぅ、頭が痛いのである」


 これは飲み過ぎであろうな。


 昨晩は魔王と飲み明かしてしまった……。


 魔王ギャラクシー、魔王バイセコー、魔王ビー。


 話をしてみれば良い奴らだったのである。


 不覚にも、別れの際に涙してしまった。


 だって奴らの魔族への想い、我の人類に対する想いと同じであるからな。


 やはり、正義はどちらにも存在するということであろう。

 それぞれの正義を貫こうではないか、と諭された時は、魔王かっちょいいと本気で思ってしまったのである。


 おっと、昨日の事でふけっていれば、いつの間にか食堂に着いてしまった。


 ジェイドと美紗がいるのである。


 いつも通りイチャイチャ……している訳では無いな。


 ジェイドが美紗の背中を擦っている。


 当の美紗は、貪るように朝食を摂っている。


「だ、大丈夫であるか? ミサ、昨日の宴でも鱈腹食べていただろう?」


「あ、おはようウーサー。本人の体調は問題無い……というか、お腹の子供が栄養失調気味なんだよね……。昨日も食べてるから、そんなことは無いと思うんだけど……。アイの子供も似たような感じ。アイの子は精霊みたいだから、僕が魔力をあげるだけで良いんだけど」


 ジェイドがマジで困っているのである。


「みーふんほひほへふほへほっほへほちょっと実験やっとけば


「ミサ、食べるか話すかどっちかにするのである」


「あー、うん。じゃあちょっとだけね」


 あれが分かるのであるか……。

 愛のなせる技……くぅ、朝から見せつけてくれるのである。


「で、ジェイドは何やってるのであるか?」


「昨日から、僕の称号スキルに追加された『未来○』ってのがあって、それの実験途中なの」


 未来○? クエスチョンではなく○なのであるか。


 どうせ物騒なスキルに違いない。


「未来に魔力とか色々と送り込めるみたい。魔力はともかくとして、色々って何? って訳で検証中。結果が出るのは年単位先なんだけどね」


 それ、意味あるのであるか?


「僕の魔力が封印された場合なら役に立つんだけど、最低1年先だからね。なんでもモノは使いようだから、役に立つスキルに僕がしなくっちゃ」


 この圧倒的な状況でも向上心絶えず、常に研鑽を積む姿勢。

 日本で健康であれば地位も名誉も金も欲しいままだっただろう。


 それこそ魔王……やっぱジェイドは根っからの魔王であるな。


「あー、さすがにもう食えねぇ」


 ミサの食欲がやっと落ち着いたようである。


 すでに腹がパンパンであるな。

 今日生まれてくると言われても納得してしまう程に。


「とりあえず1年先に、核魔法の魔力送っとこうぜ」


「そうだね。せっかくなら100発分……ついでにメッセージ飛ばして『一年先の僕へ、核魔法100発分の魔力をプレゼント』っと。はい、送信」


 いや、聞き捨てならない台詞であるぞ。


「ジェイド、100発分だと?」

「僕の魔力上限また増えちゃって、覚醒時の魔力の最大値って10億あるの。1日1億しか回復しないけどね、それも午前0時リセット。ログインボーナスかな?」


 もうダメである。

 ログインボーナスの意味がまるで分からんが、ジェイドが操られたら一貫の終わりである。


「まぁ『状態異常無効化』があるから、洗脳みたいな状態異常は僕には効かないよ」


 そう言えばハーゲと対峙していた時にもそんなことを言っていたのである。


 つくづく……チートめ!


「あれ? ウーサー」


 ん? どうしたのである?


 我はここに居るのである。


 どうして、我の後ろを覗いて我の名を呼ぶ?


 振り向いた。


 そこには――。


ーーーー Norinαらくがき ーーーー

はい、実は夢オチでした!


……ホントかな?


振り向けば、ヤツがいる。


※33-2〜33-7くらいまで、本格的な残酷描写、激強エロ描写、結構ありますので気を付けてくださいませ。


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