22-0魔王様、誤魔化す

 ウーサーったら、無駄に鋭いから困っちゃうんだよね。


「みーいーくんっ! なぁなぁ、最後、ゴハンジラにナニしたんだよー?」


 ほーら美紗が鬱陶しくなった。


「はぁー。分かった。降参します」


 ここは大人しく言えるだけを言っておこう。


「とは言っても、さっきウーサーに言ったように、ほとんど何もやってないよ。生き残りのゴライアスで、フランのマジックアシッドが効くように、リニアックナイフで注ぎ口を作っただけだし」


 美紗が僕の目をジッと見てくる。


 美紗の心と違って澄み切った目。

 吸い込まれそうなくらいに綺麗だ。


「ウソは言ってねぇんだよなー。なんか釈然としねぇけど」


 離れた美紗の耳がちょっぴり赤いのは僕だけのヒミツ。


「さ、他の戦局が動くよ。むしろ、みんなに怪獣シリーズ倒したこと言っちゃって良い?」


「……ショーコが捕虜になったことは言うなよ」


 まぁ、言わなくても通じる気がするけど。


 僕は了承した。


「さぁ、諸君に1つお知らせだ。我が配下及び勇者の働きにより、モース・ギュドラ、キング・ヨジラ改めゴハンジラが撃破された。喜べ、全員無事だ。今、本陣へ向けて帰投するよう指示してある。『龍の墓場』組への休戦協定は継続中だ。ちゃんと休ませてやれ。協定違反する者、どちらの陣営だろうが容赦せん。それだけは肝に命じておけ」

 

 ふぅ、これだけ言っておけば魔王軍は大丈夫かな。

 サウス・マータの勇者が心配だけど。


「ネイ爺さんが変なことしなけりゃイイが」


 美紗も手を焼いてるみたいだね。


 ともあれ、僕は、誤魔化しきれた。


 実は、誰よりも焦り、今1番負けそうなのは僕である。


 ゴハンジラに時間を割き過ぎた。


 このまま僕の予測通りに決着が着いていく場合、僕はどうあがいても負けるから。


 対抗手段、あるにはあるけど、間に合わないんだよね。

 出来る限りのことはするけど多分無理。


 頑張って別の手段を考えよう。


ーーーー Norinαらくがき ーーーー

龍の墓場編終わり!

やっと本戦スタートかな!

 

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