21-2龍の墓場⑦

ーーーー モース・ギュドラ ーーーー


 ぎーくんも、ゆーちゃんも、どーたんも居なくなった。


 そのうち新しく生えてくるけど、時間かかるし、また1から。

 誰もオレのことは覚えていない。


 あんまり仲良しじゃなかったけど、同じ身体を一緒に使う仲間だし、話にもそんなについていけなかったけど、楽しかった。


 それを、この龍が、全部ぶち壊した。


 だから、オレもぶち壊してやるんだ。


 オレか暴れ過ぎると森が消えるからって、爆発鱗粉はあんまり使えなかった。


 みんなが止めるから。


 でも、そのみんなはもう居ない。


 いっぱい使えて、いっぱい爆破できる。


 タノシイ。


 龍も、いっぱい爆発させた。


「アレ? まだ、生きてル」


 頑丈だなー。龍ってスゴいんだなー。


 じゃあ、もっと近くで、いっぱい燐粉つけてあげよー。


 オレは、龍に近付く為、高度を落とした。


「ガハハッ! 待ち侘ビたゾォオ!」


 オレの下から、大口を開けたヨジラが飛び上がってきて、オレの尾に齧りついた。


「いてええええええ! ヨジラ! 生きテタのか!? はーなーれーろーーーー!」


 尾を振り回す。全然ヨジラ、離れない。


「ヤツラを美味く喰ウにハ、コレしか無いカラな!」


 は? 何言ってんのコイツ!?


「ダカラって! オレを喰うノカ!?」


「ソウダ! 我の力の糧と、ナルガ良いぃい!」


 フリを付けて、一噛み一噛み登ってくるぅう!


「やだやだやだやだ! ヤメロォ!」


 いつか、ヨジラを喰ってやろうって、みんなと約束してたのに。

 どーして、逆に喰われちゃうんだよ!


「ソウカ、同じことを、考えてイタのだな」


 オレの思考が!?


 アー! もう、あと、アタマ、だけじゃん。


「ヨジラ、最期に言ってやる」

「ナニをだ?」

「死ねえぇええ!」

「オマエがな」


 バクン。


 オレは、みんなの所へ行って、みんなにすっごく怒られた。


 でも、またみんなと一緒だ。


 みんなも、しょうがないから、今回だけ、許してくれるって。


ーーーー ドラン・ハミンゴボッチ ーーーー


 モースの燐粉攻撃は耐え切りました。


 辺り一面が焼け野原でございます。


 ほんの僅かですが、余裕はあります。


 ですが、翼を失いました。


 もう飛行ができませぬ。


 そこに、近付くモース。

 ですが、まだ息のあったヨジラが、モースに齧り付きました。


 尾から胴、そして頭を食べる……というよりは、丸飲みにする、という方が正しいですな。


 重々しい地響きを立てながら、ヨジラは地に足を付けます。


 そして一瞬輝き――。


 二回り巨大化し、背ビレがトゲトゲしくなり、蒼白の魔力オーラを放つ新たなるモノが生まれました。


「クククッ、我はすでにヨジラではない! 成ったぞ! ついに最終進化形態、バージョン5.5! 我が名は、キング・ゴハンジラ! さすがモース。バージョン5を飛び越えるとは……最初からこうすれば良かったなぁ」


 キング・ゴハンジラ……恐ろしい響きの名前でございます。


 ウーサーもそれが分かるのか、両手で顔を覆い『フザケルなぁ!』とモゴモゴしながら叫んでおりますな。


 もっとも、真の恐ろしさを知るのは、すぐのことでございましたが。


ーーーー フラン・ハミンゴボッチ ーーーー


 パパが、とんだ。


 つばさ、無いのに。


 かいじゅーが、パパをソラにカチ上げた。


 どうやって?


 あ、シッポだ。みえなかった。


 背ビレから、いっぱいビーム。


 ダメ、パパが死んじゃう。


 パパの右うで、ビームから首をかばって黒こげ。


 ボロって、落ちてくる。


 パパのしっぽ、先っぽから、まっぷたつ。


「やだぁ! ホントに、パパ、死んじゃう! やだ! フランも、フランも! いかないで! つれてって!」

「待つのである、フラン! ショーコも手伝うのである!」

「ええ。ぅっ!? 強いっ!? 腕だけで、まだこんな力を!?」


 うさーとしょこたんに、おさえられる。


 いつものフランなら大丈夫だけど、今日は足もツバサもないから、ムリ。


 でも、それでも――。


 パパと、いっしょがいい!


「ムチャするでない! フラン!」


「パパ! おねがいっ! だから、だからぁ!」


 かいじゅー、パパを、もう一回、ポーンってソラへ。

 おくち、ピカって、ビーム……だめぇ!


「ぁぁ、パパ……」


 パパ、黒コゲで、目のまえ、おちてきた。


 パパ、しんじゃっ……。


「大丈夫! まだ少し、息、あるわ!」


 おなか、少しうごいてた。


「シブとい限りヨ! だが、ウェルダンの焼き具合ダナ!」


 かいじゅー、こっちきて、パパ、食べるつもり。

 おおきな口で、あーんしてる。


「させるかなのである!」


 かいじゅー、パパのおなか、パクってした。


 でも、カキンってなった。


「ウーサー!?」


 代わりに、うさー、血がぶっしゅーってなった。

 身体中、まっかっか。

 それで、うさー、たおれた。


「マァよい。尻尾から食べるとシヨウ」


 かいじゅー、パパのしっぽから食べ始めた。


「どうすれば、良いの!?」


 しょこたん、うさーのちりょうしながら、こんらんしてる。


 しょこたん、すごいよ?

 だって、フラン、泣いてるだけだもん。


 泣いていても、どうにもならない。


 パパも、ジェイドさまも、おしえてくれた。


 でも、どうにもならない。


 だから、フランは泣いた。


「ふぇえええん! パパァ! ママァ!」


 なんで?


 なんで、ママがでてくるの?


 フランもよくわからない。


 ママ、フランが産まれてすぐ、いなくなった。


 だから、フラン、ママのこと、しらない。


 でもね、パパは、ママのこと、すごく大好きだって、言ってた。


 ママに会いたい? ってきいたら、会いたいって。


 でも、フランといっしょに、会いたいって。


 パパ、きっと、ママに、もうすぐ会える。


 フランより、さきに。


 …………。


 フランも、ママと会いたいよ。


 パパは、フランといっしょじゃ、いや?


 パパの目が、うっすらひらく。


 そして、ゆっくり、閉じた。


「ママ、パパを……よろしくね」


 フランも、そっと、目を閉じた。


 なんか、あったかい、ヒカリを感じたよ。


ーーーー ショーコ・ライトニング ーーーー


 ドランがやられ、尻尾から食べられているわ。


 そして、ウーサーが血塗れ。


 私がすぐに治療を始めたから、命だけは何とか。


 フランは涙を流して俯く。


 もう、私にはどうすることもできない。


 でもね。


「ごふっ、2人は、どうして光っているのであるか?」


 目を覚ましたウーサーが、虚ろな目のまま、私に問い掛ける。


「分からない。たった今、突然のことよ」


 本当に、突然、2人は光を放ち始めたの。


 直接見ていなかったから、目へのダメージは無いわ。


「グオオオォ! 目が、目がァァー!」


 ゴハンジラには大ダメージのようね。

 それでも食べている尻尾は放さないのは、もはや執念ね。

 目を閉じたまま食べるの再開してるし。


 あら?


 ドランとフランのステータスが勝手に開かれているわ。


 そして、2人の共通する称号スキルが、とても力強く、輝いていた。


 そして響くは世界の言葉。


〘龍の足、龍の翼、龍の鱗、龍の尾、各素材、生贄の既定値に到達しました。称号スキル『生贄之絆』起動します〙


 まだ、諦めるには、少し早いみたいね。


ーーーー Norinαらくがき ーーーー

腐乱龍の綺足爪✕2

銀龍王の翼✕2

腐乱龍の翼✕2

銀龍王の厚鱗✕10

腐乱龍の厚鱗✕6

銀龍王の靭尾✕1


天鱗が出ないぞぉ!

ド&フ:Norinをポイント交換で

Norin:∠( ゚д゚)/ファ!?


Norinの大宝玉✕2


ド:天鱗出ませんでしたなぁ

フ:うっちゃえぇええ! ポチポチー!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る