17-1ノース・イート世界一武闘会

ーーーー キレーヌ・タイムカードゥ24世 ーーーー


 言い出したのは他でもないクソ……なんて下品な言葉は使ってはいけませんね。


 そこのおバカなお爺さんです。

 ロゥガーイ・ネンキーン65世です。


「せっかくである。互いの戦力を知るべきなのであーる。武闘会形式でどうか? 勇者、魔王や四天王、以下有能な部下たちで力を見せ合うのである」


 和平を結んだ直後と言うこともあり、誰も反対しない……それどころか賛成多数で急遽開催となりました。

 私も賛成してしまいました。

 と言うか、反対者はゼロでした。


「良いではないか。では我が錬金術で場を作ろう。簡易ではあるが許せ」

「では私は法力で公正なるクジを。トーナメント表も作りましょう」

「我は参加者を募るのであーる! 参加したい者はこちらに集まるのであーる!」


 トップ達が主導して、ノリノリで動きます。


 魔王ジェイドは瞬く間に石畳の決闘場を作りました。50m四方でしょうか。仕事がとても早い。一人でこれだけの魔法を使える者は、いませんね。部下に欲しいくらいです。


 私は法力で神託スキルを用い、勝ち抜き方式のトーナメントとクジを作りました。


 参加者も決まったので、早速私がクジを引きます。

 不正はしません。

 神に背くようなことはしませんから。


 結果です。

 勝ち抜き戦なので、第二試合からは対戦相手のみですね。


 第一試合 魔王ジェイド VS 四天王ノウン


 第二試合 VS 元四天王ドラン


 第三試合 VS 四天王フラン


 第四試合 VS 魔王軍料理長


 第五試合 VS 四天王ギリ


 第六試合 VS 勇者ジャック


 第七試合 VS 勇者ウーサー


 第八試合 VS 四天王ミシェリー


 第九試合 VS 勇者ルナ


 第十試合 VS フーリム & ヒデオ


 よく分からない者も混ざっているようですが?


「良いのではないか? 参加したい者が参加するのだろう?」


 魔王ジェイドが良いと言うので良しとしましょう。


 そう、ここまでは良かったのです。


 ここまでは、割りと……いえ、むしろ良い感じで今まで敵対していた者同士情報交換し合ったり、世間話に花が咲いたりしていたのです。


 それを、それを……。


 第一試合の始まる直前にですよ。


「ノウンだけではなく、皆に告ぐ。本気で来い。我に勝った者には褒美を取らせよう。何でも言うことを聞く、というのはどうだ? 魔鉱石を砕くこともできるし、錬金術で望むモノを創造してやろう。我の知識には限りがあるが、その中でなら好きにせよ。難しかったか? 我ができることなら、何でも1つ、願いを叶えようと言うことだ」


 悪魔の囁き……いえ、魔王の一声がこの場を混沌へと突き落としました。


 皆の目が、変わります。


 魔王ジェイドが何でも言うことを聞く。

 実力差はあれど、殺しは御法度です。

 負傷者は魔王ジェイドが完治できます。

 つまり、ノーリスクで魔王にお願いチャレンジができるのです。


 錬金術で、とんでもない兵器を作れる魔王に、何でも1つ、願い事。


 悪魔……まさに悪魔の所業!


 私も神に仕える者でなければ間違いなく飛び付いたでしょう。


 無理矢理参加させられた者もいるようで、顔を青くしていた者もいましたが、もう目が野獣です。


 嗚呼、これからどうなってしまうのでしょう。


 無事に終わってくれることを望みます。


ーーーー Norinαらくがき ーーーー

ジェ:さぁ、願いを言え。どんな願いでも1つだけ叶えてやろう。

Ω:ジェイド様の!

Ω:お○ンツを!

Ω:おくれ!

ジェ:……負けたくなくなってきた。


という訳で、天○一武闘……じゃなかった。世界一武闘会スタート!

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