16-2アマエ隊隊長 ヒデオ・ラッシュ

 サイコーだぜぃ。

 RPG7つったな。


 見事に魔鉱石を砕いちまった。


 ジェイド様の発明はべらぼうにやべーぜぃ。


 しかもだ。


 おいらを隊長に任命してくれるなんて……くぅ!


 生きてて良かったぜぇい!


 鉱夫だったおいら達は、ジェイド様の計らいにより、細々と、であれば一生暮らしていける分の褒賞を出してもらっちまった。


 当然、キツい、ツラい、危険な鉱夫仕事からは一旦遠退いたんだが、他にできることなんてねぇ。


 妻にも、家でぐうたらしてたら邪魔者扱いされちまう。

 子供にも、パパ、お仕事は? って聞かれて、誤魔化すのも限界だったんだぜぃ。

 まだ褒賞を貰って3日だったのによぉ。


 そんな時、暇潰しに筋トレしてたらテンテン元帥とシッシ大将に声を掛けてもらったんだぜぃ。


「お前、見込みある。『物質強化魔法』、死ぬ程、磨け。一芸、秀でてる、いつか、役に立つ。必ず。ジェイド様のために」


 ジェイド様は、おいら達の未来を安定したモノに変えてくれた。家族の未来は安泰でぃ。


 でも、魔王軍はどうなっちまうんでぃ。


 これでもおいらは、魔王軍の一員。


 できることなら、ジェイド様に報いてぇんだ。

 この恩を、返してぇ。


 こう思っていたのはおいらだけじゃねぇって、すぐに知った。


 テンテン元帥とシッシ大将が、色んなメンツに声かけて回ってたみてぇだ。


 部下達が、おいらの下に、また集まってくれる。


 ナニするか知らねぇが、ナニかやろうとしてるのは分かったんだぜぃ。


 だから、ナニ言われても良いように、おいら達はひたすら鍛える特訓をやったんだぜぃ。


 身体を鍛え、物質強化魔法を魔力が空になるまで使って、訓練所にあるでっかい魔鉱石を、誰もいねぇ時に殴りまくる。


 そんな毎日を過ごしたんだぜぃ。


 ある日のこと。


 再びテンテン元帥とシッシ大将が、おいら達の訓練をしているところにやってきたんだぜぃ。


「やぁ諸君、精が出るね。今日から僕のことは大将、テンテンの事は元帥と呼ぶように」


 おいら達は悟ったぜぃ。

 その時が、来ちまったってな。


「間も無く、人類と、和平、結ばれる。そこ、私達、力、見せ付ける。やっと、許可、下りた。遅くなり、ごめん」


 テンテン元帥が頭を下げちまった。


 中々姿を見かけなくて不安な時もあったが、まさか上と掛け合ってくれてたって……くぅ!

 テンテン元帥、一生ついていくぜぃ!


「時間無い。来て」


 テンテン元帥についていく。

 森の中に訓練場?

 こんな場所知らねぇぜぃ。


「ここは僕ら専用の訓練場となるよ。整備はドワーフインフラ部隊にお願いしたから、とても安心して使えるネ」

「で、これ。使い方、言う。覚えて」


 おいら達は総勢100名。

 3つに分けて班長を決める。

 おいらが一応トップだぜぃ。

 元だが、鉱夫長だからなぁ。


 ライフル、長距離を狙撃する弾を撃てる。

 サブマシンガン、中距離支援と近距離戦闘で強い。連射力がパネェ。

 そしてバズーカ。

 おいらは、ジェイド様が一瞬怖くなっちまった。ソクシ山爆破のことが頭に浮かんじまったぜぃ。


「バズーカは機能的には大丈夫なんだけど、構造的な問題があるらしいんだ。砲身の強度が足りない。そこでテンテンが気付いたんだ。鉱夫達に使える魔法があるってネ」


「鉱夫長、ヒデオ・ラッシュ。おまえ、隊長に任命。部隊名、Anti Magic Armored Elite Unit 、ふふ、習った英語、良い。これ、対魔機甲化精鋭部隊のこと。通称、アマエ隊」

「甘えたい? ジェイド様にっすか?」


 この時のおいらをぶん殴ってやりてぇぜぃ。


「それ、採用。さすが隊長。誉めてつかわす。『魔王様(に)アマエ隊』メモメモ。これ、魔王様の、親衛隊。だから、気合い、入れて、やる」


 ジェイド様の親衛隊、その隊長がおいら。

 おいらは、歓喜を耐えた。

 でも、部下達だって、嬉しかったみてぇだ。

 みんなが、おいらの背を叩く。


「てやんでぇ! やってやるぜぇえええい!」


 おいら達の、歓喜の声が森に響いた。


 そうして、おいら達は無事にお披露目されたんだぜぃ。

 バズーカの強度問題はすぐに解決したが、威力がヤベェ。

 おいら達ですら魔鉱石を砕けるってヤバ過ぎやしませんかねぇ?

 よくジェイド様がお許しに……。


「ふゅー、ふゅー。けふっけふっ」


 テンテン元帥、どうして下手な口笛吹いてムせてんすかねぇ?


 丘の上から見下ろされてますが、丸見えですぜぃ。


 まぁ良いぜ。

 おいら達は、命令通りに動くだけだぜぃ!


 でもな、ノウン様が笑顔で腕を振り回しながら駈けてくんのはなぁ。


 無理!


 スタコラサッサに限るぜぃ!


ーーーー Norinαらくがき ーーーー

ノウン脳内1:あたしっ、ワクワクすっぞっ!

ノウン脳内2:あたしより強い奴に逢いに行くっ!

ノウン脳内3:ヒデオが待ってる。あたしを待ってるっ!

ノウン脳内4:どうあがいても、バトルッ!

ノウン脳内5:あたしにバトルをするなというのか?

ノウン脳内6:ヒデオのせいで、バトルが増えるっ!

ノウン脳内7:バトル100%!

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