誤字情報:
誰何Ⅲにて
>活字が生み出す豊穣な世界や漫画が見せてくれる超現実な活劇「や」。
「だ」だと思われ。
二読してきたので、一章感想書きますね。
先に言っておきますが、私はSFさして読みません。
SFならではの文法とか流儀とかは知らないので、そこのところは割り引いて聞いてもらえれば。
まず終わり方についてですが、正直言って「よくわからない」です。
消化不良というか。うん、まさにこれですね。
文字数制限にフレーバー優先な作風もあって、説明が難しいのはわかるんですが、ラストの場面はかなり文字数を費やして書かれてるわけで、作者もここで盛り上がって欲しい、と考えているのは伝わるんです。
ですが、この場面で兄妹に感情移入するための情報が不足しすぎていて、
結果、「感情移入したいけど、よくわからん」になるんです。
魂斗羅とか誰何の何たるかとかは別にまあいいです。
わからなくてもだいたい想像で読めますんで。
問題はドラマ部分に関わる謎で、ここは文字数割いてでも書かれるべきところです。
以下に情報不足と感じたところをざっくり並べます。
・妹が誰何になった経緯。
才能があるからなのか。他の仕事はできないのか。
・妹は好んで誰何になったのか。強制なのか。否応なくなのか。
・雉は妹の現状をどう考えているのか。目黒書店については?
・現状、妹は誰何から解放されたが、これを雉はどう考えるのか。
好ましいのか、よろしくないのか。
・誰何の重要性が謎のまま。
奪われたことについて、誰も言及していない。
敵が神器と呼び、警備の要だったのでは。
ラストの場面を楽しむには、最低ここら辺の説明が欲しかったなと。
たとえばベタですが、
「誰何を奪われたことで妹は危険な状態になる。
これを防ぐには誰何を取り戻すしかないと知った雉は、
犬に別れを告げ、目黒書店から旅立つ」
とかでもいいと思うんですよね。
説明が不足しちゃう分、ストーリーはシンプルでよいと。
全体の物語としては、ひたすら展開が受動的で、雉が行動して何かが動く、という場面が少なすぎて、面白みに欠けました。
誰何を奪われた際も何もできず、傍観者でしかなかったですし。
ドラマの起伏と言う意味では、もうちょい何かしら欲しかったなと思います。
個人的趣味で言えば、一話目くらいのでいいので、戦闘シーンは適時欲しかったかも。
いや文字数きついのはわかりますが、全部「戦闘が終わった」なのは流石に。数行あるだけでも違ったと思います。
フレーバーとか古い言い回しや誤用なんかは、楽しめました。
悪ノリで進んでいくような世界観も嫌いじゃないです。
キャラで言えば、犬の存在感は抜群にいいですね。
最後の別れの場面でも光っていました。
雉の言う別れの理由は、いまいち釈然としませんが。
私は物語重視派なので、まずストーリーが確保されてないと、フレーバーとか雰囲気を楽しめないのかもしれません。
「この話はストーリー度外視で、ノリを楽しむものだ」と言う考えで書かれてる場合は、スルーしてもらって構いません。
そういう作風もあると思うので。とくにSFには。
本音でしか感想書かない主義ですので、こういう感じになりました。
続編の参考になるかわかりませんが、こういう読者もいるということで。
企画マラソン、お疲れさまでした。
作者からの返信
おおー。ありがたやありがたや。こんなにきっちりやっていただけるとは。これはエリを糺して。
とはいえ、いやいや梶野さんの書くことはもっともで、投げていうわけでもなく、本当にごもっともなんですよ。そもそも一話は掴みでアクションを入れて、二話、三話はほとんどアクションのみで進めようかと——最初は思ってたんです。
なんなら、説明のところに「次々回ぐらいからセルフレイティングがすべて付くかもしれません」と書きかけた、というか実際書いたのです、一話下書きの段階では。
こわいですね〜。
まあ、書きもしなかったことをああだこうだ書いても仕方ないんですが、本当は裏切りの<猿>(←→雉)が出てきて、倉庫の正体(新刊本の発行元)なりなんなりが出てきておわる、というのを展開としてうすぼんやりと考えてたんですが、うすら禿げ(誰がじゃ!)が半ばまで書いたところで、
無理だ……こんなん7777字じゃ終わらねえよ、、、orz
となって、——いや、犬がいいキャラになりすぎたのと、出す予定でなかったエルドワコンビ(どころかあの回)が余計すぎて、更に尺が詰まった、というのが。
いいわけですw
かわりにもういっそ話を広げちゃって、まあ読む人がいようといなかろうと全部描き切るところまでは描き終えよう、とも思ったのでした。
第一、目黒書店のこと、何ひとつ書いてねえ!!
お疲れ様でした🙇♂️
某所で梶野さんから勧められまして、読みに来ました。
なるほど、テノヒラと同時期にこんなものをお書きになってたんですね。「図書館戦争」みたいな話かと思ったら、ディストピアっぽい正統派コンバットもんなんですね。
昔、「SFJapan」という徳間からの不定期刊雑誌がありましたが、あそこで時々見かけた、いわゆるフレーバー優先の読み切り短編みたいな印象を感じました。正直、あの雑誌には今から思えば「筆力もっとつけてから書けや」というレベルの作品も結構あったと思うのですが、少なくとも本作はどこが書き足りてないのかはよくわかるので(そこは半分梶野さんのコメントのおかげで w)、そういう意味ではSFとしてもなかなかの線を行ってるんではないかと思いました……ってか、ここまで分析できてるんなら、完全版書きましょうや 笑。
とにかく毎度ながら、即席で書き上げたとは思えないぐらい、世界観がしっかりしていて魅力的です。この設定でシェアワールドやりましょうと呼びかけてもいいぐらい。キャラもいいし。っていうか実質「犬」だけですが、その気になればもっと出せますよね?
ところで今更ですが、VI-IIの頭にある「悪びれもせず言う犬の頬は幽かに蒸気していた」は、「上気していた」だと思います。
さあ、修正のついでに完全版をぜひっ。
作者からの返信
お、某所ですね、私も読みましたw
そうそう最初はふざけた名前でハードなディストピアものやろうと思ったんです。まあ、タイトルありきなんですが。
この年はやけに訃報が多くて、KACのほとんどが誰かしらへの追悼気分あったような……せっかく「生霊に捧ぐ」とまで書いたのに、のちに原尞まで亡くなってたもんなあ🥲
目黒書店という言葉が思い浮かんでから、ならば盟友の『武装島田倉庫』のパク——オマージュで行こうか、と。
「SFjapan」懐かしいですね、あれ友人がばんたび買ってたんで、よく読んでました。が、何載ってたっけ……? 新人賞獲った『MGH』は印象に残ってるんですが、あれは「あ、この人電撃の人やんけ!」と
なったからというのもあるしなあw
フレーバーテキストって概念がですね、私にはなくてここ最近ですよ、目にするようになったの。なろう系漫画とかでもチラホラ出てきますが、あれは元はゲーム用語なのかしらん?
湾多さんのはまた違う意味合いか、まあ私の作品の大半はフレーバー優先の読み切り、みたいなものかもしれませんw
この作品に関しては、本当は「人類補完機構」やりたかったんですけどね、擬きというかなんというか。「誰何」編やって、書店編やって、ひとまずの決着編的な。もう全然でしたね、そこはぐずぐずもいいとこでした、777字意外と長い反面、予想以上に短かったりw
これね、二部、書こうと思ってたんですよ、それがちょうどテノヒラ書いてたあたり。テノヒラ書き終えたら、二部の「胸糞」編を777字関係なく1〜2エピソードで書いて、なんて。結局テノヒラなんだよなあ、いかにもB級の馬鹿みたいな終わりにする予定が、あー、しかし書かなきゃ話にならないんだよなあ、うーん。
誤字訂正しておきますw
ありがとうございます。完全版はないですが不完全な次エピソード以降が、忘れた頃に追加されるかとw