誰何Ⅱ
例えば倉庫とかであるならば。
門を固め、
しかし書店ではそうはいかない。
問屋や
「目光を見ずして結構という
「なにブツブツいってんだよ、
ごくごくと水筒から水を飲む犬は、暑いからか特殊繊維製の護衛服から上半身だけ剥き出しにしていた。袖なしの肌着からはよく鍛えられた青白い腕と、それから肌着を内から押しあげる豊かな丘陵が見えた。
(いつも旨そうに水を飲むな……)
犬が視線に気づいたのかニヤッと
「母ちゃんのおっぱいが恋しいか?」
「記憶にないな」
悪びれずに犬、
「そういえば、雉は乱中派か。いや、そういうことじゃないか。噂でしか聞いたことないが——」
最後まで言い終わる前に
後ろは刈り上げているのに目許を隠すほど長い前髪を
「ぼさっとしてんな、雉。休み時間は終わりだ」
「へいへい」
こっちは元から護衛服をはだけるようなだらしないことはしていない。首にかかる
「にしてもヤケに早くないですか?」
「荷が少なかったんだろう」
言ってから、犬がポンと手を打つ。
「それは愚痴じゃなくてアレか。心配してやがんのか」
「<
「違うだろ、妹のことだよ」
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