ナンバーロック
結局、俺についてきてくれたのは、果林さんだけだった。
ノゾコさんと十市さんはシャワーを浴びたいと言い、源太くんはもう眠いと言っていた。
それもそうだ。今の時間は二十二時。眠くなるのもしょうがない。
「人が亡くなってるのに、謎解きをするなんて、この島に来るまではそんなこと考えもしなかったんだけど」
果林さんの言葉に俺も無言で同意をする。俺だって、死体を放って謎解きをするなんて考えてすらいなかった。
俺は脅迫文に現れた数字を黒い鍵のケースを守るナンバーロックへと入力する。
「一、九、八、一、と……」
入力を終えるとピピッと音がして、触らずともガラスのケースが開いていき、鍵が触れるようになった。それを手に取る。
「……今から、神社に行くのは危険だと思いますか?」
俺の言葉に果林さんは目を丸くした。きっと止められるだろうと思っていると彼女は微笑んだ。
「人が死ぬ館の中と、暗い外、どっちも危険の度合いは変わらないっしょ」
彼女の返答に驚きながらも、俺は手の平の鍵を力強く握った。
誰かに神社へ行くことを伝えようと思って、人を探していると十市さんと源太さんを食堂で発見した。源太さんはどうやら、寝ようとしてベッドに入ったら今日のことを思い出して眠れなくなったらしい。ノゾコさんにも会い、神社へ行くことを伝えると彼女はこの世の者ではないものを見るような視線で俺たちのことを見てきた。
いつの間にか、俺たちと一緒に十市さんまでカサゴ館から出てきていた。
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