行動開始
いくつものキーワードが散りばめられたページ。
ひらがなと感じが並ぶものの文章として成立していないページ。
漢字が六つ程並べてあるページ。
思っていたより謎は少なかったが、どれもヒントなしで解くのは難しいかもしれない。少なくとも冊子とにらめっこしているだけで解けるものではないだろう。
「どれか一つでも謎解きできた?」
「いや……」
「私も全然分かんな~い!」
俺たちがノートを読んでいる間に、食事を終えた姫子さんと魚澤さんは自室へと戻り、いつの間にか、他の参加者である長い茶髪の女性も食堂から消えていた。
食堂に残ったのは俺と己龍と果林さん。
三人で顔を見合わせる。
「そうだ! 動いたらいいんじゃない?」
謎が解けないという雰囲気になった三人の中で、果林さんはぱんと手を叩く。
「ここで考えこんでもどうしようもねぇしな」
果林さんと己龍が立ち上がるのを見て、俺も立ち上がる。
正直、ここで座り込んでいても謎は解けないだろうということは分かっていた。
入鹿島調査ノートの二ページ目の「同じ意味を繋げて、目的の場所を見つけよう!」の他のページも、そのページに記載されている内容のみでは謎を解くことが困難なものばかりだ。
「どこに行く?」
魚澤さんは夕食の時間から翌日の朝食の時間まではカサゴ館から出ないようにと釘を刺していた。それならば、俺たちが今の時間、調査できる場所は限られている。
「入鹿島資料館に行こう」
資料館では夕食前に鍵のケースと、一際大きなケースの中にある人魚の模型を見ただけだ。きっとあそこにはまだ何かのヒントがあるはずだ。
「オッケー! 私、全然閃かないから琉斗くんに任せるよ!」
「俺も謎解きは全部琉斗に丸投げするからな!」
「……二人とも、少しは自分で考えてくれないか?」
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