第3話 模擬戦
◇
翌日。研究室に運び込んだベッドから起き上がって、学校へと行く支度を済ませて部屋を出た。
「初授業……めんどくさいわぁ……」
「そんなこと言わないでくださいよ。ルシエン先生。」
「どっから湧いてきた、王子様よ。」
「散歩してたら見えたので。それより、私のことはシドと呼んでくださいませんか?」
「いきなり愛称はまずいと思わないの? 一応王族でしょ?」
愛称は婚約者と家族、本人が許可した親しい同性の友達だけにしか呼ばせないものだ。私の愛称はレナだ。理事長はエレナ。夫にはエレンと呼ばせてるらしい(夫と家族を区別したいからだと聞いた)。
「婚約者はいませんので、平気ですよ。」
「そういう問題かねぇ。とりあえず、愛称はもう少し仲良くなったらにするよ。今はシドニスで我慢して。あと、名前呼ぶくらいなんだから、素で話してよ。王族に畏まられるような身分じゃないし。」
「あれ、バレた?」
速攻でいい子ちゃんから、いたずらっ子みたいな顔になった。年相応なところもあるらしい。
「取り繕うのが上手いんだろうけど、偽物の笑顔ですって顔に書いてある。」
「俺そんなにわかりやすくないはずなんだけどなぁ。あ、俺もグレナって呼んでいい?」
「別にいいよ。呼ばれ方にこだわりはないし。」
「やった。ありがとうな。」
「どういたしまして。それで? その猫被り、いつやるの?」
「んー、必要とあれば、かな。今日はまだ二日目だし、素で話すほどクラスメイトのことは知らないし。」
それは当然か。王族ともなるとしがらみも、身分に引き寄せられるものもいる。贅沢ができる分、めんどくさいことこの上ないのだ。私だったら速攻で逃げて、魔術の研究してやる。
「いつの時代も王族はめんどくさいわね。」
「それ、俺の前で言っちゃうのもすごいよね。」
「不敬罪だーって、罪に問う?」
「まさか! んなことしてたら、信用できるやついなくなるじゃん。俺はできるだけ対等がいいの。」
対等、か。簡単なようでいて、シドニスにとってはとんでもなく難易度が高いものだ。何をするにも、護衛や身分、さまざまな要素が彼の王族という身分を忘れさせないのだから。いくら、対等を謳う学園でも、本当の対等はあり得ない。
「ままならないわね。」
「まぁそうだけど、王太子教育を受けてない分、好きにさせてもらってるよ。」
基本的に王太子教育を受けるのは上から三番目までの王子のみ。基本から外れる場合はその限りじゃないが、今の王子たちは基本から外れていないので、第五王子であるシドニスは受けていないということになる。
「それなら良かったわね。しがらみが一つだけ少ないもの。」
「グレナは、しがらみが嫌い?」
「当たり前でしょ。しがらみなんてない方がいいわ。」
無くて良いことはあっても、あっていいことなんて、一度もない。
「……ふーん? グレナも色々あったんだな。」
「伊達におばあちゃんやってないわよ。」
「え、そんな歳なの??」
「不老魔術は、普通に暮らしてるだけじゃ死なないからね。老いないから老衰で死ぬことはありえないの。見た目15歳でも、実年齢は千歳なんて余裕であるわよ。」
不老魔術を使える人間が限られてるし、滅多に会えるものじゃ無いから、そんな人に遭遇すること自体稀だろうけど、不老魔術を施した人間の見た目は実年齢にそぐわない。成長も言ってみれば老いだから、施した瞬間に成長は止まる。
私が唯一誇れるのは、胸の大きさは普通より少し大きいから18に見えなくも無いことくらいかな。
「グレナはいくつなの?」
「さぁ、いくつでしょうね。」
「はぐらかされたー。」
「はぐらかしてんのよ。ほら、さっさと教室に行きなさい。私は職員室行ってくるから。」
「はーい。また後でね。」
職員室にて職員会議を10分ほどしてから各自教室へと向かった。私もSクラスに向かった。扉を開けると、一切に静かになった。まだ時間じゃ無いのにね。
「チャイムなるまでは話してていいよ。」
そういうと、すぐに周りの人たちと話し始めた。私も教壇の椅子に座って、教科書を読んだ。そして、間も無くしてチャイムがなった。
「さてと。全員いるし問題ないね。」
「え、出席確認は……」
「私が全員の顔と名前が一致してて全員いることがわかったなら時間の無駄でしょ。文句あるなら誰かが代わりにやっていいよー。」
「グレナ先生、いつ覚えたの?」
1番手前の席に座っていたシドニスに言われた。さっきグレナって言ってたのに、先生つけたのは、猫被りの時か?
「昨日の自己紹介の時。記憶力はいいからね。」
「さすがですね、伊達におばあちゃんやってない。」
「ちょっとシドニス殿下? 私のことおばあちゃんって言わないでくれる? 事実なんだけど、人に言われると傷つくんですけど。」
「はは、冗談ですよ。あと、殿下もなくしてよ。」
ありゃ。合わせたのにお気に召さなかったようだ。
「殿下が無くすならね。」
「じゃあ、グレナ。なくして?」
「はいはい。この我儘坊主め。」
「俺坊主なの?? そこまでガキじゃないつもりなんだけど……あと、ここは笑うところじゃない? ……」
シドニスがクラスのみんなにいうと、一斉にみんなが笑い出した。笑いたいのを堪えていたのだから、そりゃそうだ。
「さて、和んできたところで授業始めるよ。」
私が立ち上がると、すぐさまみんなの表情が引き締まった。そこまで緊張しなくても良くないか? まぁいいけど。
「の、前に。まず聞きたいんだけど、これ、燃やしていい?」
そう言って掲げたものは、みんなが教科書と呼んでるそれ。これから使うべきものだ。
「は?」
「いやさぁ、正直言ってこんなの要らなくね? って思うわけよ。」
「何言ってるんですか?」
「なにって、そのままの意味。詠唱なんて無駄。非効率的なのよ。」
「無詠唱で魔術を行使すれば、暴走を起こしますよ! そんなことも知らないんですか?!」
「それが間違った認識なのよ。」
「はい?」
「無詠唱魔術=暴走っていう考えが間違ってるって言ってんの。無詠唱で暴走するときは、そいつの魔力操作が下手なだけ。ちゃんと魔力操作をすれば、暴走しない。むしろ、威力が詠唱するよりも上がるわよ。こんなふうにね。」
そう言って、威力が弱いと言われている雷魔術、ボルトを発動させた。本来この魔術は人を痺れさせるだけで、本が燃えるほどの威力はない。が、私が手に持っていた教科書は一瞬で燃え上がって灰になる。そのまま地面に落とせば燃え広がるので水球を出現させて火を消した。
「ね?」
「ボルト程度で本が燃えるわけが……それに、水の玉?」
「君たちがしってる魔術は、体内魔力を魔術として具現化させて放つだけ。放った後は放置、でしょ?」
「当たり前です! 放った後に魔術を操作するのは極めて高度な技術で……」
「はい、ダメー。その程度で高度って思ってるなら、十傑どころか今の私にすら勝てないね。」
「な、第伍階梯のルシエン先生に? それは俺たちを舐めすぎです!」
「アホねー。なら、模擬戦してみる? そう言うと思ってすでに会場、もぎ取ってきちゃった。」
「そんな悪戯しちゃった、みたいな可愛いノリで言わないでよ、グレナ。」
「え、なんのこと?」
あからさまな態度ですっとぼけると、シドニスは呆れて肩をすくめた。
「安心して。君たち全員がかかってきたとしても、私には指一本すら触れられないから。」
カッチーンって音が聞こえた気がした。煽られ耐性ないなー、このクラス。ま、扱いやすくていいけど。
「そこまでいうなら、やってやりますよ! 後悔しないでくださいね!」
「はい、じゃあ、20分後に第三演習場ね〜」
私がそういうと、生徒は一斉に動き出した。ただ1人を除いて。
「シドニスは準備しないの?」
「いくらなんでも、グレナが相手じゃ俺も勝てないと思う。あの理事長が頼み込むほどなら、グレナはただの第伍階梯じゃないってことだし。」
まさか、私のこと知ってるのか? 今の国王ですら私のことは知らないはずなのに。
「ま、さすがにグレナの正体は知らないけどね。俺にだけ教えてくれない?」
イケメンスマイルで、微笑まれた。並の女ならそれだけで陥落するだろう。自分の顔の良さをその見せ方もわかってやってる。タチ悪い男。
「そんな顔しても教えないわよ。」
「ちぇー。これで落ちない女はいないんだけどなぁ。」
「あんた、そんなことしてたの?」
「情報を吐いて欲しい時だけね。理事長にも効かなかったし、ルシエン家は顔がいい男の耐性でもあるの?」
「ないわよ、そんな変な耐性。あ、強いていうなら、お父さんか? 結構なイケメンだったし。もういないけど。」
「残念、会ってみたかったのに。んじゃ、そろそろ演習場に行こっか。俺は参加しないし。」
「参加しないの?」
「負けるとわかってる戦はしない主義だから。それに、みんながグレナの実力を引き出してくれるでしょ。わからなくても、わからないことがわかるからね。」
本当、頭の回るやつ。でも、シドニスの言う通りだ。このクラスはかなり成績はいい。魔術の才能が現王族随一と言われているシドニスは、Sクラスにいる他の生徒より頭一つ分抜き出ている。といっても、他のクラスの生徒が平凡なわけじゃない。普通に優秀だ。が、それは学生に限った話だ。現役の騎士団や魔術師団相手に上手く立ち回れるかは別問題。
そして、戦闘というものは、たったひとり、優秀な奴がいても、覆るものではない。十傑の魔術師並でもない限りは無理なものは無理。このクラスだって当てはまる。シドニスは才能はあったとしても、まだ学生のひよっこ。
全員が束になっても敵わないなら、シドニスがいたとしても同じ。実力がわからないということだけがわかる。それだけだ。
「そう。まぁ、なんでもいいけどね。」
2人で他愛もない話をして、演習場で待っていると、いくつかのグループに分かれて、クラス全員が集合した。
「先生、いくらなんでも着替えないのはまずいですよ。死にたいんですか?」
「君ら一年生如きに負けるような柔じゃないわ。全員でかかってきなよ。」
まずは、入試で二位の女生徒、アリサが向かってきた。三メートルの距離を一瞬で詰めて、私の顔を殴りつけようとした。顔をすこし横傾けて避ける。
「なっ、」
「へぇ、身体強化をここまで使いこなしてるの?」
さすがにSクラスというべきか、才能はある。だが、
「魔力操作が雑。そこは減点。」
体内の魔力を足に集中させて、アリサの後ろへと回り込み、首に手刀した。もちろん、軽くトンって感じで痛みはないはずだ。
「うそ、私の身体強化魔術より、速い?」
首に手をあてられて、負けを認めると地面にペタンと座り込んでしまった。周囲の人間はポカーンとしているのに対して、シドニスは笑っていた。
「アリサの実家は確か、身体強化魔術を得意とした伯爵家でしょ? その中でも最速と言われているのがアリサって噂だけど。」
非常勤講師だとしても、教師は教師。自分の受け持ちの生徒の情報くらいは頭に叩き込んできた。
「そうです……父にも早さだけでは負けたことなかったんですけど……」
速さだけは。父親と比べると、センスはあるものの、身体強化の持続時間も短くて応用もあまりできない。それが彼女の悩みになっているのだろう。が、そんなもん、全部魔力操作を覚えれば一発で解決する。魔力操作を雑にすればその分、無駄な魔力を使うから、魔力量が多くてもすぐにガス欠する。
「ま、当然の結果ね。魔力操作を疎かにしてるから、魔力消費が大きいのよ。身体強化なんて1番魔力消費が小さい魔術のうちの一つよ?」
「え?!」
「私なら身体強化だけなら一生かけても魔力が尽きることはないわね。これ以上は後で教えてあげる。さて、全員でかかってこないとアリサみたいに瞬殺よー? 早くきなさいな。」
呆けてるみんなに向かっていうと、数人は突撃、数人は連携してきた。ある程度みんなの実力を見てから、次々と落としていった。
「はーい、全員やられたね。んじゃ総評。ぜんっぜん! なってない! 宝の持ち腐れ! 豚に真珠! 猫に小判よ! 最悪ね。まさかここまで落ちてるとは思わなかったわ。たかだか、少しぐらいの魔物の活発化で防衛戦に回らざるを得ないわけよ。エレナ、理事長が恥を忍んで私に泣きつくわけね!」
私にズバズバと物申されてズーンと空気が重くなった。そりゃそうだ。私が手加減してたから、数分は戦えていたけど、いざ私が本気出したら全員が瞬殺。たかだか、第伍階梯であると見下していた私の手のひらの上で弄ばれていたのだから。
「負けるとは思ってたけど、まさか、ここまで瞬殺とはね。いっそ清々しいね!」
「シドニス……あなた、自分は関係ないとか思ってないでしょうね?」
「ギクッ、わかってるよ。俺も参戦しとけばよかったなって後悔してたところだもん……」
「もんって言うな。可愛くないぞ。」
「グレナ辛辣!」
「本当のことを言ってあげるのが、優しさでしょ。」
「確かにね……」
「シドニスと遊ぶのも楽しそうだけど、それは後のお楽しみに取っておくわ。どうせシドニスも魔力操作ガバガバなんだろうし。」
「遊び……多分、そうじゃない? 魔力操作が重要なんて聞いたことなかった。魔力量と魔術の難易度。それが重要だとしか。」
「十傑が現世と隔絶された影響、か……」
「十傑が現世と隔絶? グレナ、それはどういう、」
「なんでもない。それより、みんなには魔力操作の基本を徹底的に教え込んであげる。地味だけど、それをやれば、この中から十傑には劣るけどその下の賢者になら、何人かなれるでしょうね。」
ただ1人を除いて。とは言わなかった。それから私は、Sクラス全員に魔力操作を叩き込むための解説を始めた。
本来、体内にある魔力を外に放出すると大気中に漂う魔素(魔力の素)に還元されてしまう。反対に魔力を違う性質に変化させて具現化するのを魔術(一部の地域では魔法)と呼ぶ。魔術も、放置しておけば魔素に還元されるけど。
「ここまでOK? それじゃ次。魔力を外に出せ。」
「グレナ? ちょっと、言葉足らずじゃない? どうやって魔素にならないようにするの?」
「え? そのままよ。例外を抜きにすれば人間は多さの違いはあれど、魔力を持っているよね? 君たちは普段からそれを意識的に操ってる。いや、無意識かな?」
「???」
「どっちでもいいけど、とりあえず、魔術を行使するのに、君らは魔力を操ってるの。それを、意識して操作しろ。そして、その魔力を外側に出して維持する。それが魔力操作の鍛錬をするのに絶対条件。見せたほうが早いか。」
私は右手人差し指を空に向けて立てて、魔力を捻り出した。
「水玉みたい。」
「水じゃないけどね。ほら。」
水玉みたいと言ったチカという女生徒に魔力の塊をぶつける。水じゃないから濡れることなく大気中の魔素に還元された。
「本当だ。濡れてない。」
「でしょ? こんなもん、歩くよりも簡単よ。やってみな?」
そういうと、生徒全員が集中し始めた。
「あの、どうやって魔力を意識するんですか?」
「やっぱりね。そういうと思った。全員、輪になって手を繋いでくれる? 隣のやつの手をしっかり握ってね。ほらそこ、恥ずかしがらないの。」
「「は、はい!」」
大体は隣にいた人と手を繋いだけど、男女の境になると躊躇う子もいた。この子達の歳で異性と手を繋ぐのは貴族の中じゃ婚約者ぐらいだろう。まぁ、婚約者がいない子が異性と手を繋いでいるから、徹底してるわ。相手の婚約者さん、安心だね〜。なんて考えていると、十人しかいないからすぐに終わるので、私はシドニスとアリサの間に入って手を繋いだ。
「今から私の魔力で、君たちの魔力の流れを刺激する。自分の中で変なものが動いてるのを感じたらそれが魔力だよ。」
一人一人刺激していくのはめんどくさいから、こうしたほうが効率的だ。左右に流し込むと、アリサがビクッとしたから、わかったんだろう。シドニスは全く反応してないから知覚できてたのか? 全員分、魔力を流し込む感覚がして流し込むのをやめた。
「はい、わかんなかった子は? 正直に言いなさいよ。何も恥ずかしいことなんてないんだからね。」
「あの、よくわからなくて……」
「私も。」
「2人だけ? なら、こっちおいで。私が直接さっきよりも強めに流し込んであげるから。」
わからないのは鈍感なだけ。だから、刺激を強めてやれば、わかる。痛覚が刺激されるのと似たものだからね。
2人がオズオズと片手を差し出してきたので、私は左右の手を使って掴むと強めに流し込んだ。
「うわ、」
「おぉ」
「よし、わかったね?」
2人に聞くとうんうんと頷いた。魔力が少ないと刺激を強くしなければわからないのだが、この程度の刺激でわかるなら、魔力量は多いということだ。その分、魔力操作は地獄だけどね。
「さて、みんなできたね。その動いたやつを自分の意思で操れ。そして外に出して維持する。昔なら5歳児でも余裕でやってたよ。頑張ってね。」
そう言って、私は演習場の隅でみんなを眺めた。悪戦苦闘の末、一番にマスターしたのはシドニスだった。が、1秒だけだった。
「あ! グレナ! 今の見た?! 1秒足らずだったけど、離れたよ?!」
「みたみた。たったの数分でそこまでできるなら、問題ないわよ。」
「よっしゃ!」
しっかりとしていても、子供は子供ね。でも、彼は王族。私の正体を知ればきっと……
「先生! みて! 私もできた!」
「え、あー、うん。できてる。そのまま維持してね。」
個人差はあるものの、全員が魔力を空気中で維持することに成功した。
「さて、全員が成功できたところでやっと魔力操作の基本に移るわよ。」
「まだ魔力操作の訓練じゃなかったの?!」
「まだよ。知覚して維持するのが最低条件であり、必須条件なのよ。さて、気づいてる子はいるだろうけど、魔力は体から離れれば離れるほど、維持するのが難しくなるわ。そして、形を変えることもね。」
指先の上で維持するのは簡単だけど、そこから浮かしたり、形を変えることは距離を取れば取るほどそれに比例して難易度が高くなる。シドニスはさっき試してたから、1秒で魔力が霧散してなくなったのだ。
「目標は、一週間で十メートル先の壁に当てる。当てることを意識して、そのあとに形を変えていくこと。両方同時にやっても非効率だから気をつけてね。」
それから一週間。みんな壁に当てることができて、シドニスに至っては飛ばしてる途中に形を次々と変えて壁に当てていた。末恐ろしいねえ。
「さて、みんな、この一週間で成長したね。じゃあ、模擬戦しよっか。」
「えぇぇぇ?!!!」
「ちゃんと作戦考えて、みんなで来なさいね。今回はシドニスも来ること。十分後開始ね。」
用具室の中にあった砂時計はちょうど十分だったので、それを使用した。そして、十分後。模擬戦開始をした。結果は。
「ものの見事に惨敗……」
「あはは、でもみんな動きが良くなってたね。特にアリサ。」
「いつもより身体強化使える時間伸びてました!」
「でしょ? それが魔力操作を訓練した影響だよ。みんなも実感してるでしょ?」
周りを見渡すと、全員頷いていた。これなら、あっという間に今の私を追い越しちゃうな。楽しみなようで、少し怖い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます