第17話 らいかんさんと美しき世界

エルフのルリちゃんと手をつなぎながら、エルフの村までお散歩です。

さあさあ!村までれっつらごっ!


もう。わたし達には、エルフの悪戯による認識阻害はありません。

実は、ルリちゃんがわたしと気が付いたところで、悪戯を解いてくれたのですよ。


こんな感じに。


 ◇


わたしをらいかんさんだと分かったルリちゃん。

謝りながら「ぼにょぼにょ」と何かの詠唱をし出します。

わたしとアナリーさんがちょっとだけ光り、エルフの悪戯が晴れていきます。


「わ…。」


アナリーさんは、視界に広がる光景に声を失ってしまいます。

それもそうですよね…。


――目に映ったのは、

常に新緑の木々に色づく7色の花々。湖面に移るその景色と反射する光の輝き。そして、その森の奥から顔を出すエメラルドグリーンと銀色の山々。

湖畔には、鹿の親子が水を飲み。色取り取りの鳥と蝶が舞う透き通る空。


守るべくして守られていたこの森は、まさに桃源郷と呼ばわれるに相応しい世界。

それを眺める、妖精に囲まれたエルフの子供と美しい聖騎士。


と、血まみれのライカンスロープ;;。


はぁ ?

何か舌打ちが聞こえましたけど? 


まぁいいです。

美しさの余韻に浸ってる人には申し訳ないですけど、わたしも血糊を落としますよ。


ひゃっほー水浴びです。ばしゃーん。気持ちがいいです♪


2度も体を貫かれましたからね。自分でも血が湖に溶けて奇麗になっているのがわかります。それに先ほどルリちゃんから貰った紫色の石鹸洗剤トリートメント♪

ん?洗剤。気にしない気にしない。ごしごしごし。いい香り♪



――目に映ったのは、

常に新緑の木々に色づく7色の花々の色は濁り。

湖面に移るその景色と反射する光の輝きは血の色に染まり。

そして、その森の奥から顔を出すエメラルドグリーンと銀色の山々は壮絶さを極め。

湖畔に水を飲みに来た鹿の親子は立ち去り。色取り取りの鳥と蝶が生き血をすするがために群がる残虐な空。


美しく澄んだ楽園のようなそのキャンバスは、真紅の血の色に染まる。

それを、口を開け無言で眺める、妖精に囲まれたエルフの子供と美しい聖騎士。


と、キューティクル トゥルトゥルのたてがみを、

赤の水辺でなびかす ライカンスロープ。


ご指名ありがとうございまっす(ふぁさ~

らい・かん・DEATH♡さんが逝く(ふぁっさ~


(前回につづく)


※ ※ ※


はい。皆様お話の無限ループお疲れ様でした。

えー。間もなく、我々一行はエルフの村に到着いたします。

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