第13話 らいかんさん迷いの森を進む。

迷いの森を進んでいきます。


隣からアナリーさんの「ひゃ」とか「ひぃ」とか軽い悲鳴が聞こえてきますが、気にしたら負けです。


目に見えるものは、エルフの悪戯。

なので、アナリーさんには木にぶつかりそうに見えていたり、毒沼を歩いていたり。

そんな、ビジョンが見えているのでしょうかね。


アナリーさんが見えているものは、わたしが見えているものと、また違うのがこの迷いの森の嫌らしいところ。


「大丈夫ですよ。見えているものの半分は嘘です。目を瞑っていたらどうです?」


「ごめんなさい。先ほどから崖と崖の間をずっと歩いていて…ずっと股の下がひゃっとしているの。そうさせて貰うわね。」


あら、ここ森なので崖なんてないのに…って初めてですものね。


「それより。傷は大丈夫なの?私。渾身の一撃だったから…。」

「あんなの舐めとけば治ります。」


「ふぇ?」


「わんちゃんや猫ちゃんも、怪我したら舐めるでしょ?あれと同じです。」


「いや…私の渾身の一撃…しかも背中だった。…もう考えるのは止めておく。」


え?背中なんて、こうやって舌を伸ばせば舐めれますのに。ほら!

って、アナリーさん目を瞑っていましたね。納得したようなのでまぁいいか。


 ◇


どうでしょうか。一刻は歩いたでしょうか。

エルフの村の手前までは来ています。


あら。この香り。虹色茸じゃないですか!

これを持っていけばエルフさん涎たらたらですよ♪

この辺かしらね。ゴソゴソ…。見えないってこうゆうとき不便よね。


よし。結構取れたので、おひとつつまみ食い。

パクッ。


うおー!うめぇええくそうめえええ。たまらねえええええ!


あら。失礼しました。

美味しすぎて下品な言葉使いに。


え?その味をレポートをして欲しい?

「くそうめええええ!」ですよ?


そんなこと、らいかんさんに求めないでください。

わたしライカンスロープなので!キリッ

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