第11話 らいかんさん詠唱を唱える(ふらぐ回収)

らいかんさん史上最長の10話をアナリーさんは土下座で過ごしていました。

そこは聖騎士なのでしょう。誠心誠意の土下座です。


「頭を上げてください。わたしも前のお話でやり過ぎたと反省しているところですから。」


「本当に申し訳なかった。らいかんさん。途中まではジェネラルオークをお思っていたのよ。でも気が付いたら。ごめんなさい。」


「いいのですよ。本当に慣れていますから。大丈夫です。それより、日没までには帰って美味しいごはんとお風呂を堪能しましょうね。だから先を急ぎますよ。」


「は…はい。」


「それよりもです。倒したホブゴブリンの耳を剥ぎ取っていただけますか?わたし冒険者なので、討伐部位を持って帰ればお仕事になるのです。」


「あ…あぁそうね。これだけ倒せばいい稼ぎになるわよね。」


ふたりで耳を剥ぎ取ります。

それ以外は正直何も得るものがないホブゴブリン。

ゴブリンの肉は犬でも食わずなのです。


「こっちの。ワンパンで倒した…ジェネラルはどうするの?」

「えっと。それはギルドにそのまま引き取ってもらいますので、仕舞います。」


「え?」


https…うんたらかんたら。

わたしは唱えている「詠唱」を終わらせます。

え。詠唱?そんな面倒なことはじめてしましたけど文句あります?


「らいかん魔法 収納スペース とおおお。」


よいしょ。

ジェネラルさんを左のわき付近に発生した異次元空間に収納してこれでよし。


「ふぇええええ。それ…伝説級の魔法だよおおお。詠唱謎でしたけど。」


「え?」

「え?」


「私には通常の魔法です。わたしライカンスロープですから、らいかん魔法得意です。」


「あ…あと詠唱への突っ込みは、今後お控えください。今度はわたしがアナリーさんを間違えて刺してしまうかもしれませんよ。あははは。」


「へ?…あ、はい。」


 ◇


さて。森に到着です。


「アナリーさん。わたしの手を離さないでくださいね。」

「どうゆうこと?」


「ここからは、迷いの森。見えるものは半分幻覚なのです。」

「それってエルフの?」


そうなのです。ここからは、迷いの森です。

そう、エルフさんたちが認識疎外の結界を張っています。

目的地には、この森を超えなくてはいけません。


「大丈夫なの?この森。」

「大丈夫です。わたしライカンスロープですから視覚を捨て嗅覚で進みますので。」


ここからは、少し頑張らないといけません。

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