第3話 らいかんさん聖騎士さんと話す。

どうよ!冒険者プレートを見せられたらお話は聞いてくれるよね!


「お話聞く気になってくれましたか?」

きっとわたしドヤッってなってますね。ふふっふー。


「冒険者プレートを持っているの?魔物が?」

お姉さんそこ聞いちゃいますか。

ならば教えてあげましょう。なんとわたし!


「わたし。魔獣型魔物では、はじめての冒険者なんだそうです!」


腰に手を当てて、プレートを強調してやりました。

因みに、人型悪魔系の魔物では、吸血鬼さんとサキュバスさんが先に冒険者として活躍されているそうで、冒険者等級はなんとS級のシングルナンバーだそうです。


え。わたしですか?

E級ですよ?だって先週やっと登録できたばかりですもん。


強さや能力、魔法等々…人間より魔物の方が厳しく採点されるのですよ。

文字の書き取りやリスニング・ヒアリングもあるし。

まったくこの商売。人間贔屓なのです!

そりゃそうですよね。本来わたしは狩られる側ですからね。


「何とも不思議…しゃべるライカンスロープで冒険者。こんなことがあるんだね。あ…失礼しました。私は聖騎士のアナリー。」


「私はライカンスロープのらいかんです。村の皆さんからは「らいかんさん」と呼ばれています。」


と手を差し出してみましたが。

あら。アナリーさんは躊躇していますね。

失礼ですね。ちゃんとハンカチで手を拭いてから手を出していますよ!

と思ったら顔に出てたのでしょうか。恐る恐る手を握ってくれました。


「え…えぇ。よろしく…らいかんさん。」

「よろしくアナリーさん。」


 ◇


「それでアナリーさんは、何しにこの村へ入らしたのですか?聖騎士の方が来るなんて珍しいもので。」

薪を割りながら気になったので聞いてみました。


「えっと。この村に薬草採取のプロがいるって聞いて。私のお世話になっている方がご病気で採取の依頼をお願いしようと思って。」


「う~ん。ちょっと待っててアナリーさん。おばあちゃんに聞いてくる。」

「え?」


わたしは、マリダおばぁちゃんのところに行きます。

中で事情を説明しておばあちゃんの了解を得て帰ってきました。


「明日の草むしり手伝ってくれます?それならいいですよ!」


「え?草むしり?どうゆうこと?」


「えっと。わたしこそが、薬草採取の魔術師らいかんです!」

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