第4話 らいかんさん朝ごはんを堪能する。
「では、あなたが薬草採取のプロと王都で噂の?よかった会えた。」
聖騎士のアナリーさんが涙を堪えながら手を握ってくる。
「はい。わたしとても薬草取るの得意ですよ!王都直行依頼受けてます。」
冒険者って言ったときは怖がられていたのに、こちらの方は反応いいのね。
今度からはこちらで自己紹介するとしましょうか。
「えっと。アナリーさん。草むしりのお手伝いの方は。」
「やります!何でもやりますので、リファイン草を。どうかリファイン草を探してください。私の師匠が…。」
聖騎士さんは今にも泣いてしまいそうです。
「あら。ご所望はリファイン草なのね。それなら少し頑張らないといけませんね。」
リファイン草は、ここら辺で取れる薬草の中でも珍しい薬草です。
モンスターが出る森を超えた草原に生えています。
「アナリーさんもご一緒に行かれます?結構危険ですよ。」
「当然よ。私も聖騎士。そのプレートはE級でしょ。ひとりでなんて行かせられないわ。」
アナリーさんは、目が真剣です。
ライカンスロープのわたしを守ってくれるって言ってくれてます。
ありがたいのだけど…あなたの剣が怖いから本当はひとりで行きたかったんだけどね。
でも、折角のご厚意です。
「わかりました。まずは蒔き割りを終わらしてしまいましょう。」
「手伝うわ。」
あら。流石にふたりでやると早く終わるものですね。
30分くらいで蒔きは割られて、蒔き小屋に綺麗に並べられました。
◇
「おばあちゃん。終わったよー。」
わたしは、マリダおばあちゃんに報告します。
併せて、明日のこととアナリーさんが手伝ってくれたことを伝えます。
「あらまぁありがとうね。アナリーさん。聖騎士様にこんなことさせてしまって、申し訳ないわ。」
「いえ。こちらもらいかんさんに無理を言ってお願いしています。当然ですよ。」
「そう?それなら朝ごはんをご一緒に如何ですか?美味しい玉子をらいかんさんから頂いたのでオムレットを作ったのよ。」
やっぱりマリダおばあちゃんは優しいです。
確かに、コケッコの玉子は沢山あったから、わたしの分が減ることはないよね。
と思ってしまうわたしは反省中。
「玉子ですか。なかなか新鮮なものを手に張らないのに。申し訳ないです。」
「大丈夫ですよ。昨日沢山取れたんです。えっへん。」
ちょっと自慢気にわたしは言います。
ん?1話から自慢しっぱなしですって?
わたしライカンスロープなので、それくらいアピールしないと襲われちゃうんですよ。って言い訳しておきます。
やっぱり、人に褒めてほしいじゃないですか!
「はい。出来ましたよ~。暖かい内に食べて食べて。」
マリダおばあちゃんがフカフカのオムレットとパンを持ってきます。
「え?何これ?美味しい!こんな美味しいオムレット食べたことない!」
アナリーさんがキラキラしながら感想を言ってますね。
それはそうです。マリダおばあちゃんのオムレットは宇宙一なんですからね!
これこれ!本当に美味しいんですよ!トロットロでふわっふわの濃厚!
それに、玉ねぎとチーズがいいアクセント。
「玉子が新鮮だからよ。らいかんさんの持ってくるコケッコの玉子は何時も新鮮で美味しいの。」
いえいえ。新鮮玉子もですけど、おばあちゃんの料理の腕が一番ですよ。
「コ…コケッコー!!!!!!」
アナリーさんが驚いてますけど、明日行く森にいっぱいいますよ。
「王都だと…金貨1枚の高級品よ!。コケッコのお肉も凄く高い。」
「そ…そうなの?大儲けでき…あ。ここからだと新鮮じゃなくなっちゃうか。」
大儲けのチャンスと思ったのですが、コケッコーは新鮮が命です。残念。
「明日は朝からにします?草むしりを明日分を今からしてくれるなら、生みたて取りに行けますよ?」
「らいかんさんと、い…逝きます。」
あら。ご宣伝ありがとうございます。
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