第13話

「藤島くんが君のノートを丸暗記して、

それでテストに臨んで良い店を取ってる、

ただそれだけのこと。

君はテスト中寝てて良い点がとれてないのは、

コンビニのバイトが忙しくて眠いから、

そうでしょ?陰の実力くん?」


なんだよ。全てお見通しかよ。


半分嬉しいが、まぁ、家庭事情もあり、

これは致し方ないこと。

俺は大学進学を諦めてた。

中学三年生のときは進学校に進学して、

授業を真面目に受けていい点をとって、良い成績を納めて、良い大学に進んで、

と息巻いていたが。

高校一年になってすぐのこと。

親父が交通事故で亡くなった。

酔っ払い運転の車に撥ねられて亡くなるという悲惨なものだった。なにもかもどうでも

よくなって、俺は母子家庭になった。

慰謝料は出たが、全て家のローンの返済に充てられている。

亡き親父の代わりに、コンビニでバイトでもして、学費や生活費を稼ぎ、身体の弱い母さんを助ける必要があった。


勉強は二の次。

俺は勉強ノートを誰かに盗られても、

先生に告げ口する気はなかったんだ。

別に俺的には大学進学する予定などないから、ノートを見返すこともそんなに大切なことではないし。日々の勉強に比重をおかなくても、別に良いっていうか、、、。



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