第4話 へんてこな家さん1
てくてくてく。
真っ暗な夜を大きなリュックを背負った商人さんが歩いています。
「あぁ疲れた。もう歩けない」
商人さんは道に、座り込んでしまいました。
前の町でたっくさん商品を買っていたので、とってもリュックが重かったからです。
欲張りさんですね。
「はぁ、まだまだ町は遠いのになぁ」
商人さんが困っていると、へんてこな家さんが歩いてきました。
「こんばんは、商人さん」
「こんばんは、へんてこな家さん」
商人さんは見上げるほど大きなへんてこな家さんに驚きながら挨拶しました。
「こんなところでどうしたの?」
「この先の町に行く予定だったんだけど、荷物が重すぎて着かなかったんだ」
「それは大変だね」
「本当に困ったよ」
商人さんはしょんぼり。
「それじゃあ、泊まっていったらどう?」
「泊まっていく?」
商人さんは首をかしげます。
へんてこな家さんはずしんと座り、手をにゅっと伸ばしてドアを開けました。
「さぁどうぞ」
商人さんはびっくりぎょうてん。
でも、とっても疲れていたので「ありがとう」と言って入りました。
また商人さんはびっくりぎょうてん。
とっても素敵なお家だこと!
ピカピカキッチン、広々お風呂、フカフカベッドに、優しい灯り。
商人さんはご飯を食べて、お風呂に入って、ゆっくりゆったりおやすみなさい。
そして、朝になると――。
なんと、またまたびっくりぎょうてん。
町に着いているではありませんか。
へんてこな家さんが商人さんを乗せて歩いてくれたのです。
「へんてこな家さん、ありがとう!」
「どういたしまして」
へんてこな家さんは「ふふふ」と嬉しそうに笑いました。
よかったね商人さん。
おしまい。
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