第16話妖怪の条件

雨野月子

「ねえ私きれい?」


なにやら恐ろしげにマスクをとりました。よかった普通の顔でした。


雨野月子

「なによ普通のって。私は十代美少女よ!!」


何やらぷりぷり怒っていますが、軽く無視しておきましょう。

マスク美人が声をかけてきてマスクをとると口が大きく裂けていた。有名な口裂け女ですね。口裂け女は整形手術を失敗してああなった説があります。そのときの執刀医がポマードをつけていたため、ポマードが苦手らしいです。また百メートルを三秒で走るともいわれています。


雨野月子

「妖怪の条件って知ってる?」


それは二人以上の人間がその存在を認めることです。一人では駄目です。一人ならただの幻覚です。二人以上でなければいけません。


前述の口裂け女は多くの人にその存在を認められたので立派な妖怪です。


口裂け女が私きれいと聞いてきて「きれいじゃない」と答えると包丁でめった刺しにされます。怖い妖怪ですね。


この様な恐ろしい妖怪も沈める方法があります。それは物語を共有することです。

物語をつくることによって妖怪の恐ろしい部分をとりのぞくのです。



「私きれい?」

マスクをした口裂け女がある男の子に聞きました。

「僕目が見えないからわからない」

男の子は目が不自由でした。

仕方なく口裂け女は男の子の手をひいて歩きだします。


雨野月子

「ネットでありそうな物語ね」


口裂け女がやさしい存在になりましたね。

このようにどんなに恐ろしい妖怪も物語の力で善いものにかえられるのだと思います。

有名なところでは菅原道真なんかがそうですね。

都を呪う怨霊が学問の神様として奉ることによってその凶悪さは完全に消えてしまいます。もう今では受験の神様として認知されていますね。


妖怪はヨーロッパの悪魔なんかとは違い、もっと定義があやふやで面白い存在です。これからも妖怪や都市伝説を探っていきたいですね。



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