第8話 坊やだからさ
雨野月子
「ふっそれは坊やだからさ」
月子どうしたのでしょうか?
白いスーツにサングラス。手には麦茶の入ったグラスを持っています。
そして皮肉な笑みを浮かべています。
坊やだからさは機動戦士ガンダムの赤い彗星のシャアが言った有名な台詞ですね。友人であるガルマを策略によって暗殺したあとの言葉です。
最初この台詞があるシーンはシャアがクールでかっこよく思っていました。
しかし、現在では見方がかわってきました。
シャアはガルマを殺さないほうがよかったのではということです。
ガルマはシャアにとってほぼ唯一といっていい友人です。そのあとのゼータガンダムや逆襲のシャアでもシャアは見る限り部下はいても友人はいません。
ひるがえってガルマです。
ガルマはいわば愛されキャラです。地球の有力者の娘に愛され、父親であるデギンにも愛されています。ガルマが暗殺されたあと、デギンはすかっりやる気をなくし、地球連邦と和平交渉をすすめてしまいます。
もしガルマがシャアに殺されなければ、ジオンは地球連邦と有利な休戦条約を結べたかもしれません。
なぜならガルマなら人と人とのかけはしになれたかもしれないのです。
でもシャアはガルマを個人的な恨みから暗殺してしまいました。
雨野月子
「本当の坊やはシャアだったのかもね」
大局を見る目があれば自分の復讐よりも父親のジオンの意思をつぎ、スペースノイドのために動くべきだったのです。ガルマを暗殺してしまったのは本来守るべき宇宙に住む人々の大きな損失であったでしょう。
雨野月子
「でもその不完全なところがシャアの魅力なのね」
たしかに完璧超人となったアムロよりもつっこみどころの多いシャアのほうが人気が高いですよね。しかもマスクをとると金髪のイケメンですしね。
強いキャラを描くときには他の部分に弱点をいれるのがポイントだと思われます。
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