ギリギリまで心配が募る
注射を打って休ませたからか、そもそも傷が浅かったからか、ひっくり返った事件以降は調子が良く、問題ない状態でした。
運動が嫌な時に眠気が来るのですが、眠気もなく順調です。
それでも私は心配でした。
今までも、もう大丈夫、いけるね、って時に故障してしまい、競技会にエントリーできなかったことが、何度かあったからです。
今回は、ここまでは問題なくきましたが、いつ、何時、破行し出すかわからない、自分が出るのなら諦めもつくけれど、頼んで出てもらうことにしたので、変な気を使ったりもしました。
それが仕事とはいえ、お客さんの馬、しかも故障がちで、ひっくり返ることもあるような馬を、競技会デビューさせるというのは、なんとも重たいことでしょう。
怪我させるわけには行かないし、ちゃんとこなして帰ってこなくてはならない、しかも、クラブに来て、まだ1ヶ月の馬ですから。
さらに、本州から応援に来てくれる人もいて、突如出られなくなりました! だけにはならないようにしないと。
全て他人に丸投げの私も、キリキリ胃が痛くなってしまいました。
そんな私の心配をよそに、あーこの調子は上がっていき、このままで行けば、十分今の実力を出せるだろう、と思える出来でした。
見栄えする速歩があーこの武器、あと、スパッと発進できるところも強み、A2ならばそれなりの成績を収められるのではないか? という期待はあります。
実は、シェルではA2で最高で55%越えることができなかったのです。シェルが競技をやっていた頃は、今よりも少し点数が出にくい傾向があり、60%を越える馬は、ほとんど出ませんでした。それも含めれば、あーこは55%越えが目標でした。
インストラクターが乗るのですから、相当競技で入れ込むなどのトラブルがないかぎり、実力通りに戻ってくれば、それくらいは出るだろう、とほくそ笑みながら、故障の心配でしかめ面もしていたという、期待と不安の日々でした。
競技に向けて、あーこっこクラブの人が肢巻やゼッケンを送ってくれました。
イヤーネットをつけることにしましたが、それも、シェルに……と送ってもらったものでした。ただ、あーこの方がにあっているかも?
ピンク色とワイン色で、どちらがいいか、ネットで投票してもらい、本番はワインにしました。
ワインカラーが似合います。
ピンクは似合いそうにない、と思っていましたが、落ち着いたピンクのせいか、思ったよりも似合っていました。
大会ギリギリに削蹄しました。
削ると痛がるので、終わってからにしたかったのですが、蹄が広がりすぎて靴が入らなくなってきたこともあり、整える程度に切ってもらいました。
それがよしと出るか、悪く出るのか、またまた心配です。
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