春乃と孝司は幼稚園からの幼馴染。お互いにずっと友達だという認識はあったが、春乃は孝司の事がずっと異性として好き。中学生になった二人の関係は少しずつ変わっていく……というラブストーリー。
近年……というか娯楽作品は大体そうなりがちだが、恋愛ものは展開が速く関係性の変化の速度はまさにジェットコースターだ。この作品はそんなコンセプトのまさに真逆を行き、本当の幼馴染同士の恋愛ってこういうものだよ、と見せてくれる。
すれ違いや回り道をあと何回過ぎたら二人は触れ合うの?
とある名曲の一フレーズだが、本作の内容ままさにそれを地で行っている。
お互いの気持ちは明らかなのに、いろんな思惑がジャマをして、素直に言葉にできない。
そんな二人が、季節の変化とともにゆるやかなスピードで近づいていき、中学生の終わりになってようやくくっつく……そこまでがどれだけ長く感じられたことか。
ハッピーエンド後の、砂糖吐きそうな甘さに耐えられる人にはおすすめ。