めんどくさい彼氏
学校では、孝司と春乃のカップルがすっかり有名になった。
やっかみは、そこそこあるが、孝司は顔こそ一般的だが、3年間、成績トップということと、もともと友達として仲がいいのは知られていたので、ポッと出に取られた訳ではないという事で納得してくれる男子もいた。
何より、春乃の孝司への想いが溢れに溢れていて、皆、何も言えなかった。
そして、小学校からの友達は心底安堵していた。
孝司は、勉強命なので、学校からの帰り道がデートみたいなものだった。
「もう12月か…」
「寒いね、孝司のもう一個の手もちょうだい」
「…うん」
孝司の手はいつも温かい。
「なんか嫌そう」
「…歩きづらい」
「…。だね」
(ちょっと甘えたいだけだったんだけど)
「もうすぐ、受験だね」
「うん」
「…デートとかできてないけど、大丈夫?」
孝司は聞いた。
「うん」
春乃は平気そうに笑った。
「ホント?」
「うん、いつも通り勉強の合間にどっちかの家で喋れたら、それでいい」
「うん…」
「?」
「あんまり平気でいられても寂しいけど」
「面倒くさいとこあるんだね」
「面倒くさいいうな」
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