前話、孝司から目線

春乃が孝司の前を歩いていた。

春乃は新と一緒だったので、孝司は声をかけなかった。

(仲良さそうに話してるし、2人は、付き合うのかな…?)


春乃は孝司にとって唯一無二の大切な存在なので、彼氏ができるのは喜ばしいが、春乃を幸せに出来るやつしか認めたくはなかった。


新はいい人っぽいが、まだ、孝司の中では、認定できなかった。


突然、新が春乃を抱きよせた。

春乃の顔が、一気に不安そうになるのを見た。

その瞬間孝司は走って、止めに行った。

新の手を掴んで、春乃から引き離した。

「この子、こういうの苦手だから」


(あ…。やばっ…)

春乃の顔を見たら、恥ずかしくて、すぐに立ち去っていった。


次の日、孝司の教室に新が来た。

新が、孝司になんの用事があるのかはわかっていた。

「ごめん、何か勝手な事して」

孝司が先に謝った。

「春乃ちゃんの事好きなんですか?」

「いきなりだな」

孝司は、少し笑った。

「友達として、好きだよ」

「付き合いたいとかでは無いって事ですか?」

「うん、そうだね。今のところは」

「…わかりました」

(今のところ…か)

「でもさ、春乃、恋愛系苦手だから無理させないでね」

「…はい」

(幼馴染なだけなのに、偉そうだな…)

新は、孝司がライバルだと言うことも含め、イライラした。

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