別れの理由
放課後、孝司が教室に入ると女子のグループがいてワイワイと話していた。
その中に、孝司の二番目の元カノの杏がいた。
「あー、久しぶりー」
杏はびっくりするくらい明るく孝司に話かけてきた。
「おお、久しぶり」
「今ね、杏の彼氏の話をしてたの。谷川より、イケメンだって」
他の女子がいじってきた。
「俺よりイケメンって結構な数いるでしょ」
孝司は笑って言った。
「そう?谷川、かわいい系じゃん。ね?」
元カノに振った。
「そうだねー」
「全然気持ちがこもってないね」
孝司は笑って言った。
「元カレだからねー」
「ん?」
「傷ついて別れたから」
「そうなの?振られたの俺じゃない?」
「あの時悔しいから、言わなかったけどさ」
「ん?」
「春乃ちゃんが、原因で別れたの」
「ん?なんで?」
「自覚ないとこが嫌だよねー」
「ホント」
他の女子が言った。
「なに?」
「孝司の部屋に行った時ね、春乃ちゃんと2人で写ってる写真飾ってて」
「あぁ。あったかも」
「それがだめだったの。他の女の写真飾ったらだめでしょ」
目を合わせずに言った。
「そっか。あんまり気にした事なかったから」
「…」
「気にしたら?」
グサッと言われた。
(杏が言ってた通り、彼氏の部屋に他の女子の写真が飾られてたら、そりゃいい気がしないか)
孝司は今更ながら思った。
けど、やっぱりどうでもいい事の様に思えた。
(女のコとはいえ、友達だしな)
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