孝司の彼女

孝司の一人目の彼女は、普段からよく話す子で、クラスの中では仲が良かった。

その子に、告白され、なんとなく気になってたので、付き合う事にした。


付き合う前はサバサバした印象だったが、

付き合うと、女の子っぽかった。


「孝司、今日、一緒に買い物行こ」

「…うん。いいよ」


「土曜日、遊べる?」

「あー、うん。大丈夫」

「良かった。映画見に行きたかったんだ」

「…いいね」


孝司にとっては、初カノだったので嬉しかったし、 できる限り一緒にいた。

でも、そうすることで勉強の時間がなくなって成績が下がった。

勉強したいから、会う時間を減らしたいと言うと、最初は了承してくれたが、付き合ってる意味がないと振られてしまった。


二人目の彼女は、顔が可愛らしい子だった。

成績も良くて、品があるタイプだ。


「図書館で勉強しない?」

孝司は勉強とデートがいっぺんにできたら最高だと思っていた。

「うん、いいよ」

彼女は、快く受け入れてくれた。

孝司はそれで楽しかったが、彼女はもっといろんな所にデートに行きたかったらしい。

「私の事、そんなに好きじゃないんでしょ?」

そう言われて、振られた。

やはり、勉強が原因で別れた。


勉強に執着してしまうのは、前に、姉の恋人のパブロが、試験でトップを取り続けなければ、姉の絵理と別れなければいけないという過酷な状況にあった事を目の当たりにしてたからだ。

成績下がる=不幸

みたいな感覚がついてしまった。



※『同居人は魔法使いで意地悪で好きな人』参照(同作者)

孝司の5〜10歳くらいまでの話



でも、勉強ができて得な事のほうが多いし、それが理由で別れた事も、納得できている。

(勉強に支障をきたしてまで、付き合いたくはないな…)


よくよく考えると、なかなかやばい男だ。

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