怪力でもないのに

 朝、ナツメ球が壊れた。蛍光灯セットにある、ほんのり明るい豆球である。

 昨夜、居間兼寝室のナツメ球が切れたので、取り敢えず、仏間の蛍光灯のナツメ球を転用した。

 そして、仏間のナツメ球を予備のものと取り替えた。

 おかしい。点かない。手元を見ると、ナツメ球の「下半身」があった。

 上半身は、蛍光灯のナツメ球用のソケットに入っている。壊れたのだ。

 迷うことなく、取りだそうとしたら、取れない。

 蛍光灯のセットを天井のペンダントから外してから作業するしかない。

 外す時は、椅子の上に乗って外せたが、今度はペンダントに蛍光灯がセットが差し込めない。

 階段を登るのは、膝を痛めている私にはリスクだが、2階の脚立を降ろして、作業再開。

 ナツメ球が入った蛍光灯を見上げて、呟いた。

「いつの間に怪力に?」何のことはない。未使用でも、購入後、かなり経っているから、「経年劣化」が

 あったのだ。朝、食事も取らず、ストレッチもせずに、作業して汗だく。

 やっぱり、孤独死しそうだな。

 ー完ー

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