そしてなんとか退院!
実はヤクルトを買いに行った手術後3日目、夜になって私は熱を出した。
いつも通りブルーレイでアニメを見ていて、少しだけ今日は寒いなぁと思っていたところだった。けれどだるいとかどこかが痛いとかいうこともなく、もう明日には普通に退院だと思っていたので、熱を測ってびっくりした。38.4度くらいあった。
看護師さんも驚いて、一度別の体温計で測り直してみた。しかし結果は同じだ。
まさかヤクルトを買いに出た時に、何かの感染症をもらってしまったのか、と私はひやひやした。
自分も手術をしたばかりで体力は落ちているし、病院内はそういう人ばかりだ。万が一感染症になっていた場合は、自分もきついし他人にも移す心配がある。
すぐに血液検査をすることになった。しかしとりわけ問題のある数値は出なかったらしい。
鼻水や咳などもしていないし、傷が膿んだり熱を持ったりもしていない。お腹の中が痛んだりもしていない。心当たりがあるとしたら、前日にお腹を縫ったという事くらいだ。
結局翌朝まで熱は下がりきらず、朝の見回りに来てくれた看護師さんには、退院が延期になるだろうと言われた。
しかし診察と手術の結果説明に現れたB先生は、ひどくあっけらかんとしていた。
朝にもう一度血液検査をして、その結果を見ていたらしいB先生は、
「特に問題はない数値だし、元気そうだから大丈夫でしょう」
とあっさり退院を認めてくれた。心配のしの字もなさそうな顔だった。それくらい私はピンピンしていたらしい。
実際、平気で起き上がって荷物の片づけを済ませ、自分の内臓の写真を見てふんふんと説明を聞いているような状態だ。帰宅した翌日には平熱に戻ったので、延期しても病院で一日余分に過ごすだけだっただろう。
退院が延期になるかもしれない、と伝えていた家族にも、すぐに大丈夫だと知らせた。やってきた夫は心底ホッとした顔をしていた。
清算を済ませて病院を出ると、外の空気はまだ冷たかった。一週間も入院していればもう少し暖かくなっているかと思っていた。入院中は窓のカーテンを開けていると暑くて、冷房を入れた日もあったくらいだったのだ。
しかし、それも部屋の数が多い断熱の効いた建物だからこその話だ。まだ冷え込む日もあると聞いて、まだ2月の後半だし当たり前か、と思いながら帰宅した。
久しぶりの実家で、それから一週間過ごした後、私はようやく日常に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます