入院当日超ドタバタ(1)

 いよいよ2月半ば、入院当日がやって来た。

 荷物は前日までにまとめてあったので、それを持って病院に行くだけである。

 ちなみに他の病院だとどんな感じか知らないのだが、私が毎回入院しているB病院は、手術の2日前に入院する。そしてここから手術日までは、検査と執刀医の診察、麻酔科での面談、手術に必要な処置などを行うわけだ。


 ……と、まぁ普通はそんな感じで、いよいよ「手術の準備だ!」という感じなのだが、今回はこの入院日がかなりのドタバタだった。


 まず入院してすぐに言われたのが、

「手術の前の日までに部屋を移るので、荷物はあまり広げないでください」

 という言葉だった。

 この日は新しい入院病棟に初めて入って、まるでホテルのような部屋にちょっとウキウキしていたところだった。そこへやって来た各階の受付の人が、PCR検査の検体を入れる容器を持って来ながら、そんな事を言い出したのだ。


 なんでもこの部屋のあるフロア、同じ科の管轄であるものの診察室から遠いらしく、手術当日に入る部屋からも遠いのだとか。

 入院病棟がいっぱいいっぱいで、更に入院期間が延びた人がいたのだろう、予約していたのに空き待ち状態だったのだ。


 こんな事は初めてだった。同じフロアで人の行き来が分かるのは、食事の後のパントリー(食器を返却する部屋)くらいだが、隣が空いてるなぁと思う事もままあったくらいだ。それが空き待ちという事は、よほど患者さんが多かったのだろう。


 患者さんが多いという事は、単純に考えてスタッフは忙しい。

 この後、PCR検査の検体を取り、結果が出るまで部屋を出ないように、と言われたが、これもやはりかなりの時間がかかった。

 具体的に言うと、昼の1時に入院してすぐ検体を渡して、結果が出たのが夜の9時だ。


 この病院では、歩ける状態の人は自分で食器を返却しに行く決まりになっている。 しかしこの日は、6時に出された食事を返せないまま眠くなってきて、ナースコールをしてやっと判明した、という有様だ。伝えに来る時間もなかったのかも知れない。


 その原因は、おそらくこの日の午後にあった。

 今回の入院で一番の、そして初めて経験する、大変なドタバタがあったのだ。



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