結果は予想よりも
MRI検査の結果がA病院に届いたのは、翌週の半ば、1月の後半だった。
この頃にはお腹の重みのせいか、背中を伸ばすとお腹が痛いせいか、肩を前に突き出すような格好で歩いていた。
なのである程度は予想していたものの、写真を見た時は思わず「うわぁ」と声が漏れた。
大きく膨れた内臓が、輪切りにされた体の半分くらいを埋め尽くすように白く写っていたのだ。
先生は写真を画面上の直線定規のようなもので測り、大きいところで20㎝以上はあると説明してくれた。
もちろんそれはある一面から見た時の写真で、他の方向から見た写真も合わせて全体を塊として見ると、お腹に子供が一人入っているくらいの量だ。
この頃は食事をするとお腹の皮が引っ張られるようだった。それに加えて、みぞおちの辺りがムズムズする感覚が頻繁に起こっていた。
このみぞおちの感覚は、最初のうちは入浴すると治っていたので、体温や気分の問題かな、と思っていた。しかしすぐにそれでは治まらなくなり、夜寝ようとしてもムズムズが気になって寝付けない日もあった。
これが原因だったのか、といっぺんで腑に落ちた。こんなに大きなものがお腹にあって、不調が出ないわけがない。
むしろよくこれで普通に生活していたんだ、と自分でびっくりした。
なにしろ結婚前なのだ。やるべきことは次から次へと湧いて来る。
ちょっとしんどいなぁと思ってはいたものの、私は割と普通に動き回っていた。もしこれが20代の頃だったら、手術するまで、何もかも人に任せていたんじゃないかと思う。
幸い悪性のものではなく、単純にあまりに大きいので「もしかしたら悪性の可能性があるかも」というものらしかった。
いずれにせよ手術が必要なので、すぐにまたB病院へ予約を入れた。
この辺ややこしいのだが、B病院はいわゆる大病院なので、検査を受ける科と診察を受ける科が違う。なのでそれぞれをA病院からお願いして引き受けてもらう形になる。
ということで、ようやく手術をするための手続きが始まった。
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