結婚式の代わりに

 MRI検査の結果はすぐには出ない。それに検査を受けたのはB病院で、一度そのデータがA病院に届いて診断を受けた後、再びB病院で入院や手術の話が始まる。

 たまたま週末をまたいでいたこともあって、4日ほどと言われた検査結果は翌週になった。


 その間に私と彼氏は、結婚式の代わりの食事会を開いた。

 どうして式をしなかったのかと言えば、そもそも結婚式にあまり願望がなかったのと、私の親戚や友人で呼べる人がほとんどいないのとで、ちょっと迷うなぁ……という状況だったのだ。それを彼氏に相談したら、それなら顔合わせの意味で親戚のみの食事会をしよう、という話になった。

 後に自分も行きたいという人がいたので、友人達だけの気楽な席も設けたのだが、結果的にそれで良かったと思う。親戚たち、友人たち、どちらとも気兼ねなく楽しむことが出来た。


 さてその親戚との食事会である。

 事前に名簿を作った時に聞いていたのだが、彼氏の親戚は若い夫婦が多く、子供たちだけで10人を超えていた。これは賑やかになりそう、というか大変じゃないだろうかと思っていたが、実際はとても楽しい会になった。

 準備が済んで「いよいよ入場です!」と会場にを踏み入れた瞬間、これは誰かの誕生日パーティーだろうか、と思ったくらい、一斉に可愛い顔がこちらを向いた。


 もともと堅苦しくない席を望んでいて、出来ればみんなが楽しくお喋りできるような会にしたいなぁと思っていたのだ。それを叶えてくれたのは、この子供たちのエネルギーが大きかったと思う。

 上は中学生から下は離乳食の赤ちゃんまで、子供たちが半数近くを占めているので、とにかくわいわい賑やかだった。そして賑やかでもあったけれど、面倒見のいいお兄ちゃんお姉ちゃんもいて、走り回ったり叫んだりする子もいない。

 一人一人の顔を丁寧に写真に撮ってくれる親戚もいて、後に貰った写真は見ているだけで楽しいものだった。


 その頃はすぐお腹がいっぱいになって、ろくに食事が摂れない状態だったけれど、これもコース料理だったので楽々だった。

 少量ずつの料理が、適度に時間を空けてゆっくり配膳されるのだ。美味しい料理を最後まで楽に食べることができて、お腹にも満足な一日になった。


 お腹の張りは徐々に大きくなっていて、実は食事会をするのは不安だった。

 しかしこの日はそれも忘れて、楽しく過ごすことが出来た。

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