第7話
「じゃ、今夜は泊まってね、今夜は私が攻めるから」
「はっ、なんで」
「いろいろ試さなきゃ」
いや、心と身体の準備がまだ……なんてオロオロしてたら。
「わっ、やばーい」
彼女の大声が聞こえた。
「どうした?」
「明日までの課題、忘れてた」
「どれ? あぁコレ落とせないやつじゃん。大丈夫、徹夜でやれば間に合うよ、手伝うから」
「いいの?」
その後、ほんとに一睡もせず、二人がかりでなんとか間に合わせた。
「ありがとう、今度お礼するから」
「ん、身体で払ってくれていいよ」
睡眠不足の脳が発した言葉だった。
4ヶ月なんてあっという間に過ぎ、気付けば10年が過ぎても隣にいる彼女の寝顔を眺めている。
「あれ、もう起きてたの?」
「うん、早く目が覚めちゃって」
「誕生日、おめでとう」
「ありがとう」
「10年ぶりの夢の国、楽しみだね」
「ん、変わってるかな」
「そりゃ、10年だもん」
今度は正真正銘、恋人としての夢の国。
彼女の笑顔はあの頃のまま、変わっていなかった。
【了】
夢の国 hibari19 @hibari19
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