第6話
「私たちって親友だよね?」
第一声がそれだった。
「そう……だね」
「ほんとに?」
「昨夜はごめん」
「ごめんて何? なかったことにしたいの?」
「いや......それは......えっと」
彼女は、はぁっと大きなため息を吐いた。
「前からそうだったよね、貴女は優しかったし何でも言うこと聞いてくれたけど、肝心なこと言ってくれない、一人で抱え込んでる。言ってくれるまで待つつもりだったけど、私には言えないことなの?」
「言えないよ、君のことが好きだなんて。こんな近くにいて君のこと狙ってるなんて知ったら気持ち悪いでしょ、知ってたら昨日誘ってなかったでしょ、昨日みたいな棚ぼた狙ってたんだよ、最悪だよ私……」
自分の気持ちを隠していたのは、彼女の隣にいたかったから。気持ちを告げたからには、もう離れないといけない。覚悟していたはずなのに、こんなに辛くて苦しいなんて知らなかったな。
「付き合いたいの?」
「は?」
だから、彼女の言葉に心底驚いた。
「私のこと好きなんでしょ、付き合いたくないの?」
なぜ彼女の恋愛期間が短いのかが、ようやくわかった気がする。
好きだと言われたら、とりあえず付き合うパターンなのか。
「君は私のこと好きなの?」
「嫌いじゃないよ、一緒にいて楽しいし、エッチも気持ち良かったし」
「……」
「それじゃダメなの?」
「君はまた、すぐに別れたがるんじゃないの?」
「どうして? 貴女は私の歴代彼氏とは違うんでしょ、それに、あんなに優しく抱かれたの初めてだったよ、あんなに感じたのも」
「そ、そうなんだ」
「私の最長記録知ってる? 4ヶ月だよ、まずはそこを目指して付き合おうよ」
「いや、目指すなら一生だよ、それでもいいの?」
「え、それってもうプロポーズじゃん」
ケラケラと彼女らしく笑っていた。
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