顔も見えない通信相手、名前も知らず立場も違う、しがらみの無い第三者。そんな二人が互いを想い、かけた情けが始まりか。己が立場をかえりみて、言えぬ想いが、溢れ出す。華々しい勇者の英雄譚や、強大な力を持つ魔王の伝承……。その裏側にどんな事実があったのかが描かれた物語です。力ある者が皆、なんの苦労もなく、何の努力もなく生きているわけではない。皆それぞれ、さまざまな問題を抱えて生きているのだと考えさせられました。最後まで読んで良かったと思える、とても面白い作品です。
英雄譚を現実に置き換えると、実は華々しさはなく、この作品のようなのかもしれません。歴史に名を残している人たちも、きっと苦労していたのでしょう。そう感じさせる作品です。最後はスッキリしますよ。